QUESTION

qアイコン

スタートアップの出口戦略を考えるとき
判断基準となるものは?

スタートアップ企業を経営しています。順調に成長してきましたが、出口戦略をどのように考えたらいいでしょうか。上場を目指すか、もう一度資金調達して成長を目指すか、それともM&Aを選択すべきか悩んでいます。どのような判断基準があるでしょうか。

aアイコン

事業の成長ビジョンを軸に
最適な選択肢を見極める

◆成長ビジョンの明確化

出口戦略を考える際の最も重要な判断基準は、「自分たちの事業やサービスをどのようなスピード感で、どこまで成長させたいか」という点です。IPOもM&Aも手段にすぎないので、自分たちが会社を3年後、5年後にどう成長させていきたいかを判断軸にすることをお勧めします。
上場に憧れがあるなら、それを目指すことを第一の選択肢にすべきかと思います。ただし、昨今の上場維持基準等の問題を踏まえて「上場の難易度は上がっている」という現実を考慮する必要があります。重要なのは、「あくまで上場したいのか、他社と提携しながら会社を大きくして上場の機会を狙うのか」という目的の明確化です。

◆M&Aと資金調達の比較:リソースの違いを理解する

追加の資金調達を検討する場合、M&Aとの大きな違いは獲得できるリソースの種類にあります。お金というリソースを手に入れるのか、他社と提携することによって使える・発揮できるリソースを得るのかという観点がポイントになります。M&Aのメリットは「親会社のヒト・モノ・情報など、お金以外のリソースを活用できる可能性がある」ことです。これは単なる資金調達では得られない価値です。
近年、事業会社のスタートアップへの関心は確実に高まっています。CVC部門(投資部門)を作る、オープンイノベーションという言葉を対外的に発信するなど、スタートアップとの連携に注力する事業会社が多く、その一環としてM&Aも増えています。

◆無形資産中心のスタートアップの価値算定

ネット企業など無形資産が中心のスタートアップの価値算定では、収益性が重視されます。ただし、まだ黒字化していないスタートアップの場合は「一緒になった際にどのようにして利益を生み出せそうか」という視点で判断されることが多いです。
ニッチなシェアを取りにいっているサービスや特徴が強い商品であれば、販売促進のノウハウを持つ事業会社と一緒になることで、より売れるサービス・商品になる可能性があります。スタートアップ単独では広告宣伝費も限られますが、事業会社のリソースを活用することによって、効率的なマーケティングが可能になるケースもあります。

◆M&Aを検討する際の準備

M&Aを検討する際に準備すべきことは、以下の2点です。

①実績の明確化
「商品やサービスの実績をしっかり残し始める」ことが重要です。ビジネスアイデアにとどまらず、導入実績や営業成績など、具体的な実績を示せる資料を準備しましょう。

②リアルな事業計画
「資金調達用のストレッチの効いた夢物語」の事業計画ではなく、「自分たちがリアルに、かつ盤石に成長していく3年程度の計画」が必要です。これにより買い手側は「単独でもここまで行けそうだ、我々が加われば、さらにここを伸ばせそうだ」と判断できます。

最終的には、自社のサービスや商品をどう広めていきたいかという目標に照らして、IPO、M&A、単独での成長のどれが最適かを判断することが重要です。ストライクのイノベーション支援室はスタートアップ支援に特化したチームで、イグジット支援の経験も豊富です。起業家ご自身のやりたいことを実現できるよう、さまざまな角度からサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。