M&A GUIDELINE

1.中小M&Aガイドラインについて

2020年3月、中小企業庁より「中小M&Aガイドライン」が発表されました。本ガイドラインは、M&Aに関する経営者の不安を払しょくし、M&A市場を健全に発展させることを目的に「後継者不在の中小企業向けの手引き」「支援機関向けの基本事項」という内容で構成されています。事業承継型M&Aを検討されている経営者およびM&A業務を営む支援機関それぞれにとって有益なガイドラインとなっております。

「中小M&Aガイドライン」の概要

中小企業庁『「中小M&Aガイドライン」を策定しました』(2020年3月31日)

2.M&A支援機関に係る登録制度について

2021年8月、中小企業庁は「M&A支援機関登録制度」を創設しました。本制度は中小企業が安心してM&Aに取り組む基盤を構築することを目的としております。M&A仲介業務又はファイナンシャルアドバイザー業務を行う者を対象とし、同庁が策定した「中小M&Aガイドライン」を遵守することを要件としております。

「M&A支援機関に係る登録制度」の概要

中小企業庁『M&A支援機関に係る登録制度の創設について』(2021年8月2日)

3.当社における取組み

当社は、中小企業庁が創設した「M&A支援機関に係る登録制度」に登録をしております。当社は、「中小M&Aガイドライン」を遵守し、ご相談者様から日々寄せられる一つ一つのご依頼に対して、真摯に対応して参ります。

Ⅰ 支援機関としての基本姿勢 当社の方針

1 依頼者(顧客)の利益の最大化

  • 仲介者・FAや士業等専門家は、重要な判断を依頼者(顧客)に求める場合には、十分に説明して納得を得た上で進める必要がある。
依頼者に重要なご判断をいただく場合には、内容の説明をより丁寧に行い、ご納得をいただいた上で手続きを進めることを徹底しております。

2 それぞれの役割に応じた適切な支援

  • M&A専門業者は、マッチングやその後の諸手続の進捗管理等、総合的な支援を行う。
  • 中小M&A支援に携わる者は、本ガイドラインで示した基本的な事項を適切に実施するとともに、必要な研鑽を重ね、中小M&A支援の質の向上に尽力することが望まれる。
社内研修や自己研鑽によるアドバイザーの知識・技能習得、業種別施策の実施、社内専門家(弁護士、会計士、税理士等)による支援などを通じ、業務品質を向上させるべく日々努めております。

3 支援機関間の連携

  • 各支援機関は、自ら全てを抱え込むのではなく、必要に応じ、他の支援機関と積極的に連携することが望まれる。
金融機関、士業等専門家、事業承継・引継ぎ支援センター等と積極的に連携し、1組でも多くのM&Aを成約に導くよう努めております。
Ⅱ M&A専門業者 当社の方針

1 M&A専門業者による中小M&A支援の特色

  • M&A専門業者は、M&Aの仲介業務やFA業務に従事する専門業者であり、中小M&Aの実現にとって重要な役割を有する支援機関である。
  • 中小M&Aを支援する際には、マッチング能力や交渉に係る調整ノウハウ、更に、財務・税務・法務といった分野の専門知識が不可欠となるケースが多くあるが、支援経験や知見の乏しいM&A専門業者等の場合には、適切に業務を進められないおそれがあると言える。
当社は「M&Aは、人の想いでできている。」をコーポレートスローガンに、 1997年の創業以来、多くのM&Aを成約に導いてきました。これからも依頼者の真の希望を叶えるため、一つ一つのご依頼に対して、真摯に対応して参ります。
Ⅲ 各工程の具体的な行動指針 当社の方針

(1) 意思決定

  • 当該中小M&Aにおいて想定される重要なメリット・デメリットを知り得る限り、相談者に対して明示的に説明する。
  • 相談者の企業情報の取扱いについて善管注意義務を負っていることを自覚する。
M&A以外の選択肢(親族内承継、社内承継、株式公開、清算・廃業等)との比較などを丁寧にご説明し、M&Aについてご理解いただくよう努めております。
情報管理の重要性について、社内教育を徹底しております。

(2) 仲介契約・FA契約の締結

  • 仲介者・FAは、契約締結前に当該中小企業に対し契約に係る重要な事項について明確な説明を行い、当該中小企業の納得を得ることが必要である。説明すべき重要な点は以下のとおりである。
  • 仲介者とFAの違いとそれぞれの特徴
  • 提供する業務の範囲・内容
  • 手数料に関する事項
  • 秘密保持に関する事項
  • 専任条項
  • テール条項
  • 契約期間
  • 中途解約に関する事項
  • 依頼者との利益相反のおそれがあるものと想定される事項
契約内容の説明を丁寧に行い、依頼者にご納得いただいた上で契約を締結することを徹底しております。

(3) バリュエーション

  • バリュエーションの実施に当たっては、評価の手法や前提条件等を依頼者に事前に説明し、評価の手法や価格帯についても依頼者の納得を得ることが必要である。
  • 仲介者は、確定的なバリュエーションを実施すべきではない。
  • 仲介者は、依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝える必要がある。
  • 仲介者が参考資料として自ら簡易に算定したバリュエーションの結果を両当事者に示す場合には、参考資料として簡易に算定したものであるということを明示する。
仲介案件において当社が実施するバリュエーションは、参考資料として簡易に算定したものである旨を明示しております。また、算定手法や前提条件、他の専門家の意見を求めることは差し支えない旨をご説明しております。

(4) 譲り受け側の選定(マッチング)

  • 秘密保持契約締結前の段階で、譲り渡し側に関する詳細な情報が外部に流出・漏えいしないよう注意する必要がある。
  • 依頼者にはマッチングの進捗等について遅滞なく報告することが望まれる。
  • マッチングには当初の想定以上に長期間を要することもある。そのような場合には、月額報酬制を採用しているM&A専門業者は、必要に応じて依頼者と協議し、月額報酬の適正な金額への減免等に応じることが望ましい。
詳細情報の開示前に秘密保持契約を締結することを徹底しております。また、マッチングの進捗状況については依頼者に適時共有を行っております。
当社は基本合意報酬と成約報酬のみをいただいており、原則として月額報酬は発生いたしません。月額報酬が発生する場合には、依頼者の同意を得ることとしております。

(5) 交渉

  • 中小M&Aにおいては、慣れない依頼者にも中小M&Aの全体像や今後の流れを可能な限り分かりやすく説明すること等により、寄り添う形で交渉をサポートすることが必要である。
  • 特に、譲り渡し側・譲り受け側の経営者同士の面談(トップ面談)は、面談を円滑に進められるよう当日の段取りを含め丁寧にサポートすることが望まれる。
  • 仲介者は、一方当事者の利益のみを図ることなく、中立性・公平性をもって、両当事者の利益の実現を図る必要がある。
依頼者のご希望に沿うように事前のご説明や準備を十分に行い、交渉をサポートいたします。
当社は仲介者として、公平・中立な立場から両当事者の利益の最大化を図るよう努めております。

(6) 基本合意の締結

  • DDに進む前に譲り受け側に独占的交渉権を付与する等の趣旨から、原則として基本合意を締結することが望ましい。
  • 譲り受け側からの意向表明書に対する応諾書を譲り渡し側が提出することにより、基本合意とほぼ同様の合意を締結したものとして扱うこともある。
DDに進む前に基本合意締結もしくは意向表明に対する応諾を行い、譲り受け側に独占交渉権を付与することを原則としております。

(7) デュー・ディリジェンス(DD)

  • 譲り渡し側に対しDDで要求される資料の準備を促し、サポートすることが必要である。
  • 当事者を依頼者とする仲介者はDDを自ら実施すべきでなく、DD報告書の内容に係る結論を決定すべきでない。
  • 仲介者は依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝える必要がある。
  • 仲介者は、譲り渡し側に過大な負担が生じないようDDの調査対象を適切な範囲内とし、DDの結果を譲り渡し側にも開示して情報共有するよう、譲り受け側に対して働き掛けることが望ましい。
仲介案件においてDDを自ら実施することはありません。
依頼者に対し、他の支援機関(弁護士、会計士、税理士等の専門家等)によるDDを実施することを推奨しております。当社はDDが効果的・効率的に実施されるようサポートしております。

(8) 最終契約の締結

  • 最終契約の締結に当たっては、契約内容に漏れがないよう依頼者に対して再度の確認を促すことが必要である。
  • 最終契約は、可能な限り、中小M&Aに関する知見と実務経験を有する弁護士の関与の下で締結することが望ましい。
弁護士等の助言を受けることを依頼者に促しております。
契約内容確定後、依頼者に必ず最終確認をしていただくようお願いしております。

(9) クロージング

  • クロージングに向けた具体的な段取りを整えた上、当日には譲り受け側から譲渡対価が確実に入金されたことを確認することが必要である。
  • クロージングにおいて登記必要書類の授受等を行うこともある。専門的な知見を要すると判断した場合には、司法書士等の士業等専門家等にも関与を求めることが必要である。
クロージング当日の入金確認を徹底しております。
登記が必要な場合、司法書士に関与を依頼しております。
Ⅳ 仲介者における利益相反のリスクと現実的な対応策 当社の方針
  • 仲介者であるということ(特に、仲介契約において、両当事者から手数料を受領することが定められている場合には、その旨)を、両当事者に伝える。
  • バリュエーション、DDといった、一方当事者の意向を踏まえた内容となりやすい工程に係る結論を決定しない。依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝える。
  • 仲介契約締結に当たり、予め、両当事者間において利益相反のおそれがあるものと想定される事項について、各当事者に対し、明示的に説明を行う。また、別途、両当事者間における利益相反のおそれがある事項を認識した場合には、この点に関する情報を、各当事者に対し、適時に明示的に開示する。
当社は仲介者として、公平・中立な立場で業務を行っております。仲介契約において、両当事者と契約を締結する旨を明示しております。
仲介案件において確定的なバリュエーションやDDを自ら実施することはありません。
Ⅴ 専任条項の留意点 当社の方針
  • 仲介契約・FA契約の専任条項には、一定の合理性が認められる。
  • 専任条項を設けるとしても、M&A専門業者は当該依頼者に対し、他の支援機関に対してセカンド・オピニオンを求めることを許容すべきである。ただし、セカンド・オピニオンにおいては、情報管理に配慮する必要がある。
  • 専任条項を設ける場合には、仲介契約・FA契約の契約期間を最長でも6か月~1年以内を目安として定めるべきである。また、依頼者が任意の時点で仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する条項等も設けることが望ましい。
専任条項の期間はガイドラインに沿った運用としております。
また、他の支援機関(弁護士、会計士、税理士等の専門家等)の意見を求めることができる旨を契約書に明記しております。
Ⅵ テール条項の留意点 当社の方針
  • 仲介契約・FA契約のテール条項(当該契約終了後一定期間内に、譲り渡し側が譲り受け側との間でM&Aを行った場合に、当該契約等は終了しているにもかかわらず、当該M&A専門業者が手数料を取得する条項)には、一定の合理性が認められる。
  • テール条項の期間は最長でも2年~3年以内を目安とすることが望ましい。
  • テール条項の対象は、あくまで当該M&A専門業者が関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側のみに限定すべきである。
テール条項の期間、対象いずれもガイドラインに沿った運用としております。