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2020/08/21

日本ペイントHD<4612>、シンガポール・ウットラムグループの傘下に

日本ペイントホールディングスは、2021年1月に第三者割当増資を実施し、シンガポール塗料大手のWuthelam Holdings Limited(ウットラム)の子会社になると発表した。ウットラムによる出資比率は現在の39.6%から58.7%となる。併せてウットラムのインドネシア事業と同社との合弁事業を買収し、両社の塗料事業を日本ペイントに集約する。両社が一体となって、アジアにおける塗料事業を強化するのが狙い。

第三者割当の払込期間は2021年1月1日から3月31日で、発行新株式数は1億4870万株。発行価額は1株当たり7970円、総発行価額は1兆1851億3900万円。一方、日本ペイントはウットラムの子会社や合弁会社11社を子会社化し、1社を持ち分法適用会社とする。取得予定日は2021年1月1日。

日本ペイントが買収するのはNIPSEA PTE. LTD.(シンガポール、出資比率100%)、出資比率を引き上げるのはNIPSEA MANAGEMENT COMPANY PTE. LTD.(同、同) 、NIPPON PAINT (INDIA) PRIVATE LIMITED(インド、同99.9%)、Neave Limited(香港、同100%)、NIPPON PAINT COATINGS (TAIWAN) CO., LTD. (台湾、同)、NIPSEA CHEMICAL CO., LTD. (韓国、同)、NIPPON PAINT (Malaysia) SDN. BHD. (マレーシア、同)、PAINT MARKETING CO. (M) SDN. BHD. (マレーシア、同)、NIPPON PAINT (SINGAPORE) COMPANY PRIVATE LIMITED(シンガポール、同)、NIPSEA TECHNOLOGIES PTE. LTD.( シンガポール、同) 、NIPPON PAINT (THAILAND) COMPANY LIMITED (タイ、99.9%)。

このほかNIPPON PAINT (SABAH) SDN. BHD. (マレーシア、49%)が日本ペイントの持ち分法適用会社となり、NIPSEA PTE. LTD.の子会社・関連会社6社も日本ペイント傘下に入る。

ウットラム子会社と合弁会社持ち分の株式譲渡価格は、総額で1兆2851億3900万円(うち合弁が1兆496億4900万円、インドネシア事業取得分が2354億9000万円)。その対価として日本ペイントが第三者割当増資を実施し、残り1000億円を現金で支払う。

両社は1962年にシンガポールで合弁事業を始め、アジア各国に展開した。2013年1月にウットラムが約15%だった日本ペイントへの出資比率を約45%に引き上げる買収提案をしたが、同3月にウットラムの出資比率を高める代わりに日本ペイントが合弁会社の経営権を握ることで決着し、買収提案を取り下げた経緯がある。

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