M&Aとは?
意味やメリットをわかりやすく解説。経営者が知るべき目的と流れ
ABOUT M&A
最終更新日:
M&Aとは、企業の成長や事業承継を実現するための重要な経営戦略の一つです。
本記事では、M&Aの基礎知識から、売り手・買い手双方のメリット、株式譲渡や事業譲渡といった具体的な手法(スキーム)までを、M&A仲介会社のプロがわかりやすく解説します。
さらに、実際の成約データをもとに、業種ごとに異なるM&Aの目的についても解説します。
監修者プロフィール
保坂 佳臣(弁護士)
株式会社ストライクグループ 執行役員 法務部長兼コーポレートアドバイザリー部長
金融機関業界団体及び金融機関での勤務を経て、株式会社ストライクに参画。現在は法務・会計・税務の専門部隊であるコーポレートアドバイザリー部を統括。弁護士の知見を背景とした法務・スキーム構築のアドバイス、法的リスクの精査、契約実務のクオリティ管理によりM&A案件を支えるとともに、部として全社的なコンサルティング品質の向上を牽引している。
<この記事の概要>
M&Aは、後継者問題の解決や企業の成長を実現するための有効な経営戦略です。
中小企業のM&Aでは、主に株式譲渡と事業譲渡が選択肢となり、成功の可否はメリット・デメリット、適正な企業価値、費用や税金の仕組みを正しく理解できているかで大きく左右されます。
また、専門性が求められる分野であるため、信頼できるM&A仲介会社を選べるかどうかが成否を分ける重要な要素となります。
本記事では、これらの判断に必要な基礎知識を整理し、冷静に意思決定するための視点を解説します。
※本記事の「Strike Insight」は、株式会社ストライクが2025年7月1日以降に成約したM&A案件(計175件)を基に分析しています。なお、分析テーマに応じて一部データを除外しているため、各図表ごとにサンプル数(n)が異なります。
目次
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M&Aとは?基本の意味をわかりやすく解説
M&Aとは企業が成長や承継を目的として、経営権や事業を他社に引き継ぐ経営手法です。
単に「会社を売る・買う行為」ではなく、事業や雇用、技術を次世代につなぐための選択肢として活用されています。
ここでは、M&Aという言葉の意味を整理し、合併・買収の違いや使われ方について解説します。
M&Aとは、Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の略称です。
複数の企業が一つに統合されたり、ある企業が別の企業の経営権や事業を取得したりする取引全般を指します。
ビジネスにおいては、企業の所有構造や経営体制が変わる状態を意味します。
Mergers(合併)
合併とは、複数の会社を一つの法人に統合することです。
会社同士が合意して新設会社を設立し(新設合併の場合)、または一方が存続会社となり(吸収合併の場合)、これらの会社へ組織や資産、権利義務を包括的に引き継ぎます。
合併の種類や手続き上のポイントは、合併で詳しく解説しています。
Acquisitions(買収)
買収とは、他社の株式や事業を取得し、経営権を得ることです。
中小企業のM&Aでは、株式譲渡による買収が多く用いられています。
買い手側の基本的な進め方や検討時の注意点は、会社を買収するにはで整理しています。
広義・狭義のM&A
狭義のM&Aは、合併や買収を指します。
一方、広義では資本業務提携や会社分割なども含まれます。
近年の中小企業におけるM&Aは、かつてのような「乗っ取り」というイメージから大きく変化しています。
後継者不在への対応や将来成長を見据え、従業員や事業を次世代へ引き継ぐ友好的なバトンタッチとして活用されるケースが増えています。
M&Aは、企業を廃業させることなく、持続的な成長を実現するための戦略的な選択肢といえるでしょう。
Strike Insight
M&Aとは単なる企業の売買ではない?業種別に見る目的の違い
M&Aは単なる企業の売買ではなく、売り手・買い手それぞれに異なる目的があります。
その実態をより具体的に理解するために、実際の成約データをもとに見ていきましょう。
ストライクの成約実績データ(2025年以降)では、M&Aの目的は大きく「事業承継」と「成長戦略」の2つに分かれる傾向が確認されています。一定数の実績がある17業種(n=129)を分析すると、業種ごとにその特徴は明確に異なります。
■ 承継型が中心となる業種
・中間流通業:本データでは例外なく「後継者不在」が理由
・食品、機械・電気製品、素材・加工品:いずれも過半が承継目的
これらの業種では、M&Aは主に後継者問題を解決し、事業や雇用を次世代へ引き継ぐ手段として活用されています。
■ 成長戦略として活用される業種
・広告・情報通信サービス:約6割が「事業の成長と発展」
・建設:過半が成長目的
これらの分野では、人材の確保や機能補完、事業領域の拡張といった「成長投資」としてM&Aが選択されています。
■ 承継と成長が拮抗する業種
・消費者サービス
・法人サービス
これらの業種では、事業承継と成長戦略の双方の目的でM&Aが活用されており、目的が一方向に偏らない特徴が見られます。
このように、M&Aは一律の目的で行われるものではなく、自社が属する業界によって「承継手段」なのか「成長戦略」なのか、その意味合いが大きく異なります。
そのため、M&Aを検討する際には、自社の業種における傾向を踏まえて目的を整理することが、戦略の方向性を誤らないための重要な判断軸となります。
なぜ今、M&Aが増えているのか?主な目的
M&Aが増加している背景には「後継者問題」と「成長戦略の高度化」があります。
特に中小企業では、事業承継の現実的な解決策としてM&Aが選択されるケースが年々増えています。
ここでは、M&A件数の推移を踏まえつつ、売り手・買い手それぞれの目的を整理します。
近年、日本国内のM&A件数は右肩上がりで推移しています。
日本のM&A件数はここ10年で増加傾向にあるため、過去最高水準を更新する年も珍しくありません。
この背景には、経営者の高齢化や市場環境の変化が強く影響しています。
引用:M&A Online: 【2025年M&Aサマリー】件数は過去最多の1344件、金額は20兆円超えで歴代最高値を更新
特に中小企業では、後継者不在が深刻な課題となっています。
黒字であっても承継できずに廃業を選択する「黒字廃業」は、経営者本人だけでなく、従業員や取引先にも大きな影響を与えます。
M&Aは、事業と雇用を第三者に引き継ぐことで、この問題を解決する有効な手段として認識されるようになりました。
M&A市場の動向をさらに知る
M&Aが増えている背景を理解するには、件数推移や直近のニュースをあわせて確認することが重要です。市場環境を把握することで、自社がM&Aを検討すべきタイミングも判断しやすくなります。
M&A件数が増加している理由
後継者問題、業界再編、人材不足など、M&A市場が拡大している構造的な背景を解説しています。
最新M&Aニュース
上場企業の開示情報やM&A事例をもとに、直近の市場動向を確認できます。
【売り手側】後継者問題の解決と創業者利益
売り手側の最大の目的は、後継者問題の解消です。
M&Aにより事業を存続させることで、長年築いてきた会社や従業員の雇用を守ることができます。
また、株式を譲渡することで創業者利益を確保できる点も重要です。
経営者が保有する自社株式の現金化は、引退後の生活資金や新たな事業への挑戦資金として活用できます。
さらに、大手企業や成長意欲の高い企業の傘下に入ることで、資金力やブランド力を活かした事業拡大が期待できる場合もあります。
会社を第三者に引き継ぐ具体的な進め方や、売却前に整理すべきポイントについては、会社を売却するにはで詳しく解説しています。
【買い手側】時間を買った事業拡大
買い手側にとってM&Aは、「時間を買う」戦略です。
ゼロから新規事業を立ち上げるよりも、既存の事業・人材・顧客基盤を一括で取得できるため、成長スピードを大きく高められます。
また、人材不足が深刻化する中で、即戦力となる技術者やノウハウを獲得できる点も魅力です。
M&Aは、競争環境が厳しくなる市場において、持続的な成長を実現するための手段として活用されています。
買収を検討する際は、対象会社の事業内容だけでなく、財務・法務・人材・PMIまで含めて確認する必要があります。買い手側の基本的な進め方は、会社を買収するにはで解説しています。
Strike Insight
なぜM&Aが増えているのか?買い手の広がりから見る市場の変化
M&Aが増加している背景には、後継者問題だけでなく、買い手となる企業層の広がりがあります。現在では、M&Aは一部の企業だけが活用する特別な手法ではなく、多くの企業にとって現実的な成長戦略へと変化しています。
ストライクの成約実績データをもとに分析すると、買い手の業種は特定の分野に偏らず、幅広く分散していることが確認できます(n=119)。
■ 買い手業種の内訳
・医療・福祉系:16.0%
・投資・ファンド系:16.0%
・流通・小売系:14.3%
・建設・設備系:9.2%
・不動産系:8.4%
・その他:36.1%
このように、特定の業種が突出していない点は重要です。
M&Aは金融機関や投資ファンドに限らず、多様な事業会社が主体的に活用していることがわかります。
背景には、人材確保や顧客基盤の獲得、地域展開といった目的の多様化があります。
こうした変化により、現在のM&Aは特定の企業だけでなく、多くの企業にとって現実的な選択肢となっています。
「自社のような規模でもM&Aは可能なのか」
「どのような企業が買い手になるのか」
こうした疑問を持つ経営者にとっては、買い手の広がりを理解することが、意思決定の重要な判断材料となります。
経営者が知っておくべきM&Aのメリット・デメリット
M&Aは事業承継や成長を実現できる一方で、慎重に判断すべきリスクも伴います。
経営判断を誤らないためには、メリットだけでなくデメリットも正しく理解することが重要です。
ここでは、売り手・買い手それぞれの立場からM&Aの利点と注意点を整理します。
M&Aのメリット
まず、M&Aによって得られる主なメリットを整理します。
以下は、売り手と買い手のメリットを比較した一覧です。
| 売り手のメリット | 買い手のメリット |
|---|---|
| 後継者問題の解決: 廃業を回避し、従業員の雇用と技術を守れる | 「時間を買う」効果: ゼロから事業を立ち上げるリスクと時間をショートカットできる |
| 創業者利益の確保: 株式現金化によるハッピーリタイアや、個人保証(経営者保証)の解除 | リソースの獲得: 優秀な人材、技術、ノウハウ、顧客基盤を一括で取得できる |
| 企業の成長: 大手資本参加による経営基盤の安定化 | シナジー効果: 既存事業との掛け合わせによる売上拡大 |
売り手にとって最大の利点は、後継者不在による廃業を回避できる点です。
加えて、株式を譲渡することで創業者利益を確保でき、個人保証の解除につながるケースもあります。
買い手側では、ゼロから事業を立ち上げるリスクを避け、既存の経営基盤を短期間で取得できる点が評価されています。
自社が譲渡対象として評価されやすいかを考える際は、業績だけでなく、事業の継続性、顧客基盤、人材、許認可なども重要な判断材料になります。具体的な判断軸は、M&Aで売れる会社の条件とはで解説しています。
M&Aのデメリット・リスク
一方で、M&Aには慎重に検討すべきリスクも存在します。
以下は、売り手・買い手それぞれの主なデメリットです。
| 売り手のデメリット・リスク | 買い手のデメリット・リスク |
|---|---|
| 心情的な葛藤: 育てた会社を手放す喪失感(メンタル面) | 簿外債務・偶発債務のリスク: 帳簿に見えない負債が後から発覚するリスク |
| 環境変化の摩擦: 企業文化の統合がうまくいかず、従業員が動揺する可能性 | のれんの減損リスク: 期待した収益が上がらず、会計上の損失を計上する可能性 |
| ロックアップ期間: 契約条件により、売却後も一定期間(1〜3年等)経営に関与しなければならない義務が発生する場合がある | PMI(統合)の失敗: 人材流出や組織不和により、結果として投資対効果が得られないリスク |
売り手側では、長年経営してきた会社を手放すことへの心理的な葛藤が生じる場合があります。
また、契約条件によっては売却後も一定期間経営に関与する必要がある点に注意が必要です。
M&Aは万能な手段ではなく、その活用目的も企業によってさまざまです。
だからこそ、メリットとデメリットを冷静に比較し、自社にとって最適な選択かを見極める姿勢が求められます。
買い手側のリスクを詳しく知る
M&Aでは、表面上の業績だけでは見えにくい財務・会計・税務上のリスクが問題になることがあります。買収後の想定外損失を防ぐためにも、以下の論点を事前に確認しておきましょう。
赤字・債務超過会社の買収制限
財務状態に課題がある会社を買収する場合の制限や、実務上の注意点を解説しています。
のれん・負ののれんの会計処理と税務処理
買収後の会計処理や税務に影響する、のれん・負ののれんの基本的な考え方を整理しています。
Strike Insight
M&Aのメリットはシナジーだけではない?データで見る実態
では実際のM&Aは、どのような目的で活用されているのでしょうか。
ここまで一般的なメリットを見てきましたが、実務ではより多様な目的で活用されているケースも少なくありません。
また、M&Aのメリットとしてよく挙げられる「シナジー効果」も、メリットの1つにすぎません。
一般的には同業同士の統合によるシナジーが想起されやすいものの、実際のM&Aでは異なる業種間での統合も数多く行われています。
ストライクの成約実績データ(2025年以降、n=175)を分析すると、「後継者不在」を背景としたM&Aにおいて、事業会社が買い手となったケースでは、同業種による買収が40.5%であるのに対し、異業種による買収が59.5%と過半を占めています。
この結果は、買い手がM&Aに求める価値が、単なる同業シナジーにとどまらないことを示しています。
実際には、以下のような目的でM&Aが活用されています。
・顧客基盤の獲得
・人材や技術の取り込み
・地域ネットワークの取得
・新規事業への参入
このような実態を踏まえると、M&Aのメリットは単なる既存事業の強化にとどまりません。
むしろ、自社に不足している経営資源を取り込み、新たな成長機会を創出する手段として活用されている点に本質があります。
つまり、M&Aを検討する際には「同業かどうか」という形式的な分類ではなく、自社の戦略に照らしてどのような経営資源を補完できるのかという視点を持つことが、意思決定の質を高める重要なポイントとなります。
M&Aの主な手法(スキーム)の種類
M&Aには複数の手法(スキーム)があり、中小企業では「株式譲渡」と「事業譲渡」が中心となります。
M&Aという言葉は一括りにされがちですが、実際には目的や状況によって最適な手法は異なります。
この章では、実務で頻繁に用いられるスキームを整理し、それぞれの特徴を解説します。
M&Aは、狭義では「買収」「合併」の2つに分類されます。
ただし、中小企業の第三者承継や成長戦略においては、実務負担や税務面の観点から、特定の手法に利用が集中する傾向があります。
株式譲渡
株式譲渡は、中小企業のM&Aで最も多く用いられている手法です。
株主が保有する株式を買い手に譲渡し、会社の経営権を移転します。
会社そのものを引き継ぐ形となるため、事業承継目的のM&Aと相性が良い手法です。
株式譲渡の特徴は、契約関係や許認可、従業員との雇用関係を原則としてそのまま引き継げる点にあります。
そのため、実務負担が比較的少なく、スムーズな承継が可能です。
また、売り手が個人株主の場合、譲渡益にかかる税率は約20%に抑えられます。ただし、譲渡益が一定の額を超える場合は税率も高額となる税制が施行されていることに留意が必要です。
一方で、会社全体を引き継ぐため、買い手側は簿外債務や偶発債務のリスクを十分に調査する必要があります。
この点からも、デューデリジェンス(買収監査)が重要となります。
株式譲渡のメリット・デメリットや税率については、株式譲渡の解説で詳しく整理しています。
事業譲渡
事業譲渡は、会社の中から特定の事業のみを切り出して売買する手法です。
不採算部門の整理や、特定事業だけを承継したい場合に活用されます。
事業譲渡では、譲渡対象となる資産・負債・契約・従業員を個別に選定します。
そのため、買い手は不要な事業やリスクを引き継がずに済むというメリットがあります。
売り手にとっても、経営資源の再配分が可能です。
一方で、契約の巻き直しや従業員の再雇用手続きなど、実務は煩雑になりがちです。
また、資産の種類によっては消費税が課税される(かつ想定外に高額となり得る)点も、株式譲渡との大きな違いといえるでしょう。
その他の買収の手法(スキーム)
ここからは、主に上場企業やグループ再編、資本提携で用いられる手法を簡潔に紹介します。
第三者割当増資
第三者割当増資とは、新たに発行する株式を特定の第三者に引き受けてもらう手法です。
資金調達と同時に業務提携や資本関係を構築できる点が特徴で、成長資金の確保や戦略的パートナーの獲得を目的として利用されます。
経営権の希薄化には注意が必要です。
株式交換
株式交換は、買い手企業が自社株式を対価として対象会社の株式を取得し、完全子会社化する手法です。
現金を使わずにM&Aを実行できる点が特徴で、上場企業を中心にグループ再編や事業統合の場面で活用されます。
株価変動の影響を受けやすい点には留意が必要です。
株式移転
株式移転とは、1社または複数社が発行済株式のすべてを新設会社に移転し、持株会社を設立する手法です。
経営統合を行いつつ、各事業会社の独立性を一定程度保てる点が特徴です。
主にグループ経営体制の構築や経営管理の効率化を目的として用いられます。
TOB(株式公開買付)
TOBとは、上場企業の株式を市場外で、価格と期間をあらかじめ提示したうえで買い集める手法です。
敵対的買収の印象を持たれがちですが、実際には経営陣の同意を得た友好的TOBも多く存在します。
経営権取得を明確にしたい場合に有効です。
資本業務提携
資本業務提携は、株式の取得や持ち合いを通じて資本関係を構築しつつ、業務面での協力関係を強化する手法です。
完全な買収には至らないため、リスクを抑えながら関係構築を進めたい場合に適しています。
将来的なM&Aの前段階として活用されることもあります。
合併と会社分割の手法(スキーム)
合併や会社分割は、主に組織再編やグループ構造の最適化を目的として用いられるM&A手法です。
中小企業の第三者承継では活用頻度は高くありませんが、事業統合や再編の文脈で重要な概念となります。
合併(吸収合併・新設合併)
合併では、吸収合併の場合は一方の会社が存続し、新設合併の場合は新たな会社を設立します。
経営資源を一本化できるためシナジー効果は大きい一方、企業文化や業務プロセスの統合が難しく、PMIの成否が結果を左右します。
会社分割(吸収分割・新設分割)
会社分割とは、会社の事業の一部または全部を切り出し、他社または新設会社に承継させる手法です。
吸収分割と新設分割に分かれ、グループ内再編や事業ポートフォリオの整理で多く活用されます。
事業単位で権利義務を包括的に移転できる点が特徴です。
Strike Insight
M&Aの手法はどう選ぶ?株式譲渡が主流となる理由
ここまで代表的なM&Aスキームを見てきましたが、実務ではどの手法が選ばれているのでしょうか。
M&Aの手法は複数存在するものの、実際には多くの業種で「株式譲渡」が主流となっています。ストライクの成約実績データ(2025年以降、n=175)を分析すると、建設業、情報通信業、運輸業、サービス業では、9割以上の案件で株式譲渡が採用されています。
この背景には、株式譲渡が持つ実務上のメリットがあります。
具体的には、許認可や契約関係、従業員の雇用を包括的に引き継げるため、手続きの負担が比較的少なく、スムーズに承継できる点が評価されています。
製造業や卸売・小売業でも同様に株式譲渡が中心となっており、事業譲渡は限定的です。
一方で、不動産業では株式譲渡が過半を占めつつも、事業譲渡も一定割合で選択されており、資産単位での売買ニーズが影響していると考えられます。
また、医療・福祉分野では制度や法人形態の違いから、出資持分譲渡や組織再編など多様な手法が併存しています。
このように、M&Aスキームは自由に選べるように見えても、実際には業種や制度、事業特性によって一定の傾向があります。
そのため、手法を選ぶ際には一般論だけで判断するのではなく、自社の業種や目的に照らして最適なスキームを検討することが重要です。
自社はいくらで売れる?M&Aにおける「企業価値算定」とは
企業価値算定とは「会社がいくらで評価されるか」を客観的に算出するための考え方です。
自社の価値を客観的に把握するには、まず企業価値評価(バリュエーション)の考え方を理解しておくことが重要です。
M&Aを検討する経営者の中には、「うちの会社には売る価値がないのではないか」と不安を感じる方も少なくありません。
しかし、企業価値は売上規模や利益だけで決まるものではなく、事業内容や将来性、無形資産も含めて評価されます。
ここでは、M&Aで用いられる代表的な算定アプローチを整理します。
主な3つの算出アプローチ
企業価値算定では、目的や企業の状況に応じて複数の算定方法が用いられます。
代表的な3つのアプローチを、以下の表に整理します。
| 算定方法 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| コストアプローチ | 企業が保有する資産・負債を基準に算定 | 客観性が高く算定しやすい。中小企業で用いられやすい | 将来の成長性や収益力を反映しにくい |
| インカムアプローチ | 将来のキャッシュフローをもとに算定 | 収益力や成長性を評価に反映できる | 事業計画の精度により評価が左右される |
| マーケットアプローチ | 類似企業の株価や取引事例を参考に算定 | 市場評価を反映しやすい | 比較対象が少ないと算定が難しい |
このように、各算定方法には強みと弱みがあります。
実務では一つの方法に依存せず、複数のアプローチを組み合わせて企業価値を判断するのが一般的です。
なお、算定された企業評価額が、そのまま最終的な譲渡価格になるとは限りません。実務では、買い手との交渉、シナジー、リスク評価などを踏まえて価格が決まるため、企業評価と売買価格の違いも押さえておくとよいでしょう。
コストアプローチ
純資産法(コストアプローチ)は、会社が保有する資産と負債を基準に企業価値を算出する方法です。
貸借対照表をもとに評価できるため、中小企業のM&Aで広く用いられています。
一方で、将来の成長性は反映されにくい点に注意が必要です。
インカムアプローチ
DCF法(インカムアプローチ)は、将来生み出すと見込まれるキャッシュフローに基づいて企業価値を算定します。
代表的な手法にDCF法があり、成長性や収益力を評価に反映できます。
事業計画の妥当性が重要となります。
マーケットアプローチ
類似会社比準法(マーケットアプローチ)は、株式市場や過去のM&A事例をもとに、類似企業と比較して価値を算定する方法です。
市場の評価を反映できる点が特徴ですが、適切な比較対象が必要です。
企業価値評価で用いられる主な考え方や算定手法の全体像は、企業価値評価(バリュエーション)の算定方法で詳しく解説しています。
Strike Insight
自社はいくらで売れる?企業価値算定の相場と目安
「うちの会社はいくらで売れるのか?」
これは、M&Aを検討する多くの経営者が最も気になるポイントではないでしょうか。
ストライクの成約実績データ(2025年以降、n=175)を見ると、中小企業M&Aでは資産価値に加え、収益力も評価に織り込まれていることが分かります。
当社が関与した成約データでは、企業価値は以下のような水準で評価されるケースが見られます。
・純資産の約1.3倍前後
・純利益の5〜7倍前後
ただし、これらはあくまで当社関与案件における統計的な傾向であり、実際の売却価格は以下の要素によって大きく変動します。
・将来の成長性
・ビジネスモデルの強み
・人材や顧客基盤の質
・買い手とのシナジー
そのため、同じ売上や利益水準であっても、評価額が大きく変わるケースは珍しくありません。
つまり、「いくらで売れるか」は一律に決まるものではなく、自社がどのような価値を持つかによって大きく変わります。
だからこそ重要なのが、専門家による客観的な企業価値の把握です。
実際には、簡易的な試算と実務レベルの評価では結果が大きく異なることも多く、早い段階で正確な目安を知ることが、その後の意思決定を大きく左右します。
「まずは自社の価値を知りたい」
という段階でも問題ありません。M&Aを前提としなくても、現状の企業価値を把握すること自体に大きな意味があります。
企業価値をより実務的に理解する
企業価値は、財務数値だけで一律に決まるものではありません。買い手がどのような価値を見出すか、また実務上どのように価格が検討されるかを理解することで、自社の譲渡可能性や準備すべきポイントが見えやすくなります。
M&Aで買い手はここを見る
買い手が重視する財務内容、事業の安定性、人材、顧客基盤、リスク要因などの評価ポイントを解説しています。
中小企業M&Aにおける企業価値の決め方
中小企業M&Aで企業価値がどのように検討されるのか、実務上の考え方を整理しています。
M&Aにかかる費用と税金
M&Aでは仲介手数料などの「費用」と、譲渡方法に応じた「税金」が発生します。
事前に全体像を把握しておくことで、想定外の負担や判断ミスを防ぐことができます。
以下では、費用と税金を分けて整理し、それぞれで注意すべきポイントを具体的に示します。
M&Aにかかる費用
M&Aでは、仲介会社やアドバイザーに対して以下のような費用が発生するのが一般的です。
| 費用項目 | 内容 | 相場 |
| 相談料 | 初期相談時の費用 | 無料〜数百万円 |
| 着手金 | 仲介契約締結時に支払う費用 | 無料〜数百万円 |
| 月額料金(リテイナーフィー) | 継続的な支援に対する報酬 | 無料〜数百万円 |
| 中間金 | 基本合意時に支払う費用 | 無料~数百万円(成功報酬の10〜30%) |
| 成功報酬 | 成約時に支払う報酬 | レーマン方式(取引金額に応じた成功報酬)が一般的 |
ストライクでは、相談料から着手金、月額報酬まで無料でM&Aの仲介を行っております。
費用体系については、ストライクの報酬・料金体系をご覧ください。
M&Aにかかる税金
M&Aの税金は、株式譲渡か事業譲渡かによって大きく異なります。
株式譲渡で発生する税金
| 課税対象者 | 税金の種類 | 税率 |
| 個人株主 | 所得税 | 15% |
| 個人株主 | 復興特別所得税 | 0.315% |
| 個人株主 | 住民税 | 5% |
| 法人株主 | 法人税等 | 約30% |
株式譲渡では、株式を売却した株主に対して税金が課されます。
個人株主の場合は申告分離課税となり、所得税・住民税などを合わせた税率は約20%です。ただし、譲渡益が一定の額を超える場合は税率も高額となる税制が施行されていることに留意が必要です。
消費税がかからない点は、事業譲渡との大きな違いといえます。
事業譲渡で発生する税金
| 税金の種類 | 課税内容 |
| 消費税 | 譲渡対象資産(のれん等) |
| 不動産取得税 | 不動産取得時 |
| 登録免許税 | 登記変更時 |
事業譲渡では、譲渡対象となる資産ごとに税務上の扱いが異なります。
特に、のれんや棚卸資産などには消費税が課税される点に注意が必要です。
不動産を含む場合は、不動産取得税や登録免許税が発生することもあります。
M&Aの税務上の留意点を詳しく知る
M&Aでは、譲渡方法や対価の受け取り方によって、課税関係や手取り額が変わることがあります。株式譲渡・事業譲渡・役員退職金の扱いを分けて確認しておくことが重要です。
株式譲渡にかかる税金
個人株主・法人株主それぞれに発生する税金や、株式譲渡時の基本的な課税関係を解説しています。
事業譲渡にかかる税金
事業譲渡で発生する消費税、不動産取得税、登録免許税などの税務上の留意点を整理しています。
M&A譲渡時の節税方法(役員退職金スキーム)
役員退職金を活用する場合の考え方や、税務上確認すべきポイントを解説しています。
M&Aを行う際の流れと手順
M&Aは「準備 → マッチング → 合意 → 成約 → 統合」という段階的なプロセスで進みます。
各フェーズで行うべき対応を理解しておくことで、不要なトラブルを防ぎ、納得感のあるM&Aを実現できます。
ここでは、M&A仲介会社を活用して進める場合を前提に、売り手側の一般的な流れを解説します。
準備・検討フェーズ
最初のステップは、M&Aの目的や方向性を整理する準備段階です。
M&A仲介会社へ相談し、事業内容や財務状況、経営課題を共有します。
この段階で秘密保持契約(NDA)を締結し、情報漏えいリスクを防ぎ、その後M&A仲介依頼契約を結び、本格的な支援がスタートします。
ストライクでは、基本合意まで相談料・着手金が無料となっており、初期費用を抑えて検討を進められます。
マッチングフェーズ
次に、買収候補先の探索と選定を行います。
仲介会社のネットワークや、M&Aプラットフォーム「SMART」を活用し、条件に合う譲受企業を探します。
候補先が見つかれば、トップ面談を実施し、経営方針や価値観を確認します。
条件面のすり合わせを経て、合意に至れば基本合意書を締結します。
基本合意・デューデリジェンス(買収監査)
基本合意後は、買い手による買収監査(デューデリジェンス)が実施されます。
財務・法務・税務などの観点から企業の実態を確認する重要な工程です。
この結果を踏まえ、譲渡条件の最終調整が行われるため、売り手側も正確な情報開示が求められます。
最終契約・クロージング
条件が確定すると、最終契約書を締結します。
株式譲渡や事業譲渡の実行、対価の受領をもってM&Aは成約(クロージング)となります。
この段階で経営権が正式に移転します。
最終契約後の実行手続きや引き継ぎの流れについては、クロージングと引き継ぎで詳しく整理しています。
PMI(統合プロセス)
成約後は、PMI(統合プロセス)が始まります。
業務引継ぎや組織体制の整備を進め、新体制での事業運営を安定させます。
PMIの成否はM&Aの成果を左右する重要な要素です。
譲渡側・譲受側それぞれの立場で必要となる具体的な手続きのステップは、以下のページで詳しく解説しています。
立場別にM&Aの流れを確認する
実際の手続きは、売り手側と買い手側で確認すべきポイントが異なります。自社の立場に合わせて、具体的な流れを確認しておきましょう。
会社売却の流れと手順
売り手側がM&Aを検討してから成約・引き継ぎに至るまでの流れを解説しています。
企業買収の流れと手順
買い手側が案件探索、基本合意、デューデリジェンス、最終契約へ進む流れを整理しています。
売り手・買い手で整理するM&Aの成功ポイント
M&Aを成功させるためには、売り手・買い手それぞれが「立場に応じた判断軸」を持つことが不可欠です。
ここまで解説してきたとおり、M&Aにはメリットだけでなく税務・価格・手続き上の注意点も存在します。
成功するM&Aに共通するのは、感情ではなく、目的と条件を整理したうえで意思決定している点です。
本セクションでは、これまでの内容を踏まえ、売り手・買い手それぞれが最終的に重視すべきポイントを整理します。
売り手にとってのM&A成功ポイント
売り手側のM&A成功とは、「納得感のある条件で、事業を次につなぐこと」です。
価格だけでなく、承継後の事業や従業員の行方まで見据えた判断が求められます。
1.目的を明確にしたうえで売却判断を行う
事業承継、成長戦略、引退準備など、M&Aを行う理由を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なままでは、条件交渉や意思決定がぶれやすくなります。
2.価格だけでなく条件全体で評価する
譲渡価格に加え、経営関与期間や従業員の処遇、経営方針なども重要な判断材料です。
総合的な条件を比較することで、後悔のない選択につながります。
3.専門家を活用し、早期に準備を進める
財務整理や情報開示の準備は、企業価値を左右します。
信頼できる仲介会社と連携し、早めに検討を始めることが成功の近道です。
譲渡価格は、業績だけでなく、事前準備、情報開示の精度、買い手候補との相性、交渉条件によっても変わります。価格面で後悔しないためには、会社を高く売る方法も早い段階で確認しておくとよいでしょう。
売り手向けの関連ガイド
会社売却を検討する際は、売却できる可能性、価格、手続き、相談先を順番に整理することが重要です。検討段階に応じて、以下の記事をご覧ください。
会社を売却するには
会社売却の基本的な考え方や、検討を始める際に整理すべきポイントを解説しています。
M&Aで売れる会社の条件とは
買い手から評価されやすい会社の特徴や、譲渡前に確認したいポイントを整理しています。
会社売却の流れと手順
相談から候補先探索、基本合意、最終契約、引き継ぎまでの流れを解説しています。
会社売却(譲渡)の相談先
仲介会社や専門家を選ぶ際に確認すべき実績、専門性、費用体系などの判断軸を整理しています。
買い手にとってのM&A成功ポイント
買い手側の成功とは、取得後に事業を成長させ、投資効果を最大化できることです。
短期的な拡大だけでなく、中長期視点での判断が求められます。
1.買収目的と戦略の整合性を確認する
なぜ買収するのか、既存事業とどう連動させるのかを明確にします。
目的が不明確な買収は、PMIの失敗につながりやすくなります。
2.デューデリジェンスを通じてリスクを把握する
財務・法務・税務の確認を徹底し、簿外債務や偶発リスクを把握します。
ここを怠ると、想定外の損失を招く可能性があります。
3.PMIを見据えた準備を行う
M&Aは成約がゴールではありません。
人材・組織・業務の統合を見据えた準備が、成果を左右します。
買収目的と戦略の整合性を具体化する際は、取得後のPMIや投資回収まで見据えた判断が必要です。買い手側の具体的な判断軸は、企業買収を成功させるポイントで解説しています。
買い手向けの関連ガイド
企業買収では、案件探索からデューデリジェンス、最終契約、引き継ぎまで、段階ごとに確認すべきリスクが異なります。買い手側の実務を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
会社を買収するには
買収を検討する際の基本的な考え方や、初期段階で整理すべきポイントを解説しています。
企業買収の流れと手順
買収検討から候補先選定、基本合意、デューデリジェンス、最終契約までの流れを解説しています。
買収監査(デューデリジェンス)
財務・法務・税務などの観点から、対象会社の実態やリスクを確認する工程を整理しています。
クロージングと引き継ぎ
最終契約後の実行手続きや、買収後の引き継ぎで確認すべきポイントを解説しています。
M&A案件一覧
M&Aをより具体的にイメージしたい方は、実際の案件例を見ることで検討の解像度を高めることができます。
M&A新着案件情報
M&Aをより具体的に検討したい方は、ストライクが運営するM&A市場SMARTで、問い合わせ受付中の譲渡希望案件を確認できます。
Strike Insight
M&Aは地元だけで完結しない?データで見る"広域化"の実態
M&Aを検討する際、「買い手は近隣企業に限られるのではないか」と考える方は多いかもしれません。
しかし、データを見るとこの前提は必ずしも当てはまりません。
まず、ストライクの成約実績データ(2025年7月1日以降、n=115)を整理すると、「地方→地方」が40.0%と最も多いものの、「地方→都心」「都心→都心」もそれぞれ25.2%を占めています。
特定のパターンに偏っておらず、地域をまたいだM&Aが過半を占める構造となっています。
さらに、地方同士の案件に限定しても、異なる都道府県同士が52.3%と、同一県内にとどまらないケースがやや上回っています。
この傾向は、ストライクが運営するM&A専門ニュースメディア「M&A Online」のデータ(2025年)でも同様です。同メディアでは、適時開示情報をもとにした国内M&Aデータベースを公開しており、本分析ではその中から所在地情報が確認できる案件を対象としています。
その結果、対象企業と買い手企業が異なる都道府県に所在するケースは50.1%とほぼ半数を占め、「地方→地方」に限ると60.7%が県をまたぐケースとなっています。
これらの結果から、M&Aにおける相手先の探索は、想定以上に広域化しているといえます。
特定の地域に限定した探索では、選択肢を狭めてしまう可能性があります。
実際の成約でも、「当初は想定していなかった地域の企業が最適な相手となる」ケースは少なくありません。
そのため、M&Aを検討する際には、「まずは地元で探す」という前提ではなく、最初から広いエリアで候補先を捉えることが重要です。
加速するM&A市場では信頼できるM&A仲介会社選びが重要
M&A市場が拡大する今だからこそ、仲介会社の選定が成否を大きく左右します。
M&Aは一度きりの重要な経営判断となるケースが多く、支援する仲介会社の専門性や姿勢によって結果は大きく変わります。
ここでは、今後の市場動向を踏まえたうえで、信頼できるM&A仲介会社を選ぶための視点を整理します。
今後もM&A市場は成長・拡大する見込み
国内のM&A市場は、今後も中長期的に拡大していくと見込まれています。
背景には、構造的な社会・経済要因が存在します。
1.生産年齢人口の減少によるM&Aの増加
日本では、生産年齢人口の減少が続いています。
また、人材確保や事業継続が難しくなる中で、単独での経営に限界を感じ、M&Aを選択する企業は増えています。
人材や組織をまとめて引き継げるM&Aは、有効な解決策といえるでしょう。
2.業界の寡占化によるM&Aの増加
競争環境の激化により、業界再編の動きが活発化しています。
規模の拡大や効率化を目的としたM&Aは、競争力を維持するための手段として位置づけられています。
中小企業にとっても、早期の判断が将来を左右する局面が増えています。
3.ベンチャー企業のM&Aの増加
スタートアップやベンチャー企業においても、M&Aは成長戦略の一環として一般化しています。
IPOだけでなく、M&Aを出口戦略とする考え方が定着しつつあります。
信頼できるM&A仲介会社の選び方
M&Aを成功させるためには、仲介会社の選定が極めて重要です。
以下は、経営者が確認すべき主な判断軸です。
専門家の在籍
M&Aでは、財務・法務・税務の専門知識が不可欠です。
社内に専門家が在籍しているか、または外部専門家と強固な連携体制を持つかを確認する必要があります。
実績と業界知見
過去の成約実績や、自社と同じ業界への理解があるかは重要なポイントです。
業界特有の商慣行や課題を理解している仲介会社ほど、精度の高い提案が期待できます。
手数料体系の明確さ
手数料体系が明確で、納得感のある説明があるかも判断基準となります。
成功報酬型やレーマン方式など、費用構造を事前に理解しておくことが重要です。
仲介会社を選ぶ際は、自社と同じ業界への理解があるかも重要な判断材料です。業界ごとの再編状況や成約傾向を把握したい方は、M&A動向分析(Owner's Lab)も参考になります。
ストライクのM&A仲介・アドバイザリーサービス
ストライクは、専門性の高いM&A支援を全国で展開しており、業界トップクラスの実績を持つ仲介・アドバイザリー企業です。
創業以来、数多くの成約を重ねてきた経験をもとに、事業承継から成長戦略まで幅広いニーズに対応しています。
豊富な成約実績と専門ネットワーク
ストライクは創業以来、累計3,600件以上の成約実績を築いてきました。
金融機関や会計事務所とのネットワークが全国に広がっており、事業承継や再編ニーズに合わせた最適なマッチングが可能です。
多様な業界に精通したチームが支援を行うため、専門性の高い案件にも対応できます。
具体的な支援実績を確認することで、対応業種や案件規模のイメージを持ちやすくなります。ストライクの実績は、M&A成約実績でご覧いただけます。
M&A専門アドバイザーによる支援体制
ストライクでは、M&Aに精通した専門アドバイザーが在籍し、財務・法務・税務の知見を横断的に活用しながら、企業ごとに最適な意思決定を支援しています。
また、特に特長的なのが、営業部門から独立した審査部門を設置している点です。
M&Aは高い専門性に加え、透明性と倫理性が求められる取引ですが、実務では成約を優先するあまり、十分な検証が行われないまま進行するリスクもあります。
こうした課題に対し、ストライクでは営業と審査を分離し、第三者的な視点から案件の妥当性や進行プロセスを客観的にチェックする体制を構築しています。
具体的には、以下の業務領域において品質管理を行っています。
- 広告・営業資料の表現内容の適切性の確認
- 企業概要書の適切な内容・表現の確認
- 重要事項説明の適切な実施状況の確認
- その他の社内ルール・手続き(買い手調査、受託報酬の適切性調査、リスク事項説明の実施等)に基づく業務遂行の確認
これらを独立した審査部門および関係部署が担うことで、過度な営業や不適切な案件進行を抑止し、取引の公正性と透明性を確保しています。
また、こうした品質管理体制は、ストライクグループ全体で推進しているコンプライアンス・リスクマネジメント体制のもとで運用されています。
組織的にリスク管理と内部統制を行うことで、M&A支援においても一貫したガバナンスが確保されています。
ストライクの品質管理や内部統制の考え方については、コンプライアンス・リスクマネジメント推進体制で詳しく紹介しています。
このように、営業機能と審査機能の分離に加え、全社的なコンプライアンス体制と連動した品質管理を行うことで、透明性と公正性を重視したM&A支援を実現しています。
相談から着手金まで完全無料で対応
ストライクでは、M&Aの初期段階で必要となる「相談料」「着手金」「月額報酬」がすべて無料です。
費用負担を抑えながら検討を開始できるため、事業承継を考える経営者にとって利用しやすい環境が整っています。
成功報酬型のため、納得のいく成約に向けて安心して相談できます。
日本初のM&Aプラットフォーム「SMART」運営
ストライクは、日本で初めてM&Aマッチングプラットフォーム「SMART」を提供しています。
譲渡企業と譲受企業の双方が匿名でマッチングできる仕組みで、スピーディーなパートナー探索が可能です。
従来の仲介機能とデジタルの利点を組み合わせたサービスとして、多くの企業が活用しています。
譲渡企業と譲受企業のマッチングを支援する仕組みとして、ストライクではM&A市場SMARTを運営しています。
専門家による高品質な支援と、使いやすいサービス体制を備えたM&A仲介会社です。
事業承継や成長戦略など、M&Aに関するあらゆるご相談に対応しております。
「まだ売却を決めていない」「まずは自社の価値だけ知りたい」という段階でも問題ありません。M&Aを検討中の方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
以下にM&Aを検討する中小企業経営者から特に多く寄せられる質問をまとめました。
Q. M&Aとは、わかりやすく言うとどういう意味ですか?
M&Aとは、企業が合併や買収を通じて経営権や事業を引き継ぐことです。
単なる売買ではなく、事業承継や成長を目的とした経営戦略の一つとして活用されています。
Q. 中小企業がM&Aを行う主な目的は何ですか?
主な目的は後継者問題の解決と事業の存続です。
近年では、成長戦略や業界再編への対応として、前向きにM&Aを選択する企業も増えています。
Q. M&Aを検討する上で、どのようなメリット・デメリットがありますか?
メリットは事業承継や創業者利益の確保です。
一方で、企業文化の統合や想定外のリスクが生じる可能性もあり、慎重な判断が求められます。
Q. 中小企業のM&Aではどのような手法(スキーム)が使われますか?
中小企業では、株式譲渡や事業譲渡が主に用いられます。
目的や状況に応じて、他の組織再編手法が選択される場合もあります。
Q. 自社がいくらで売れるのか調べる方法はありますか?
企業価値算定を行うことで、自社の評価額を把握できます。
複数の算定方法を用い、専門家の視点で客観的に確認することが重要です。
Q. M&Aにかかる費用や税金はどのくらいですか?
仲介手数料などの費用と、譲渡方法に応じた税金が発生します。
事前に費用体系や税務上の扱いを確認することが不可欠です。
Q. 失敗しないためのM&A仲介会社の選び方はありますか?
専門家の在籍、成約実績、手数料体系の明確さが重要です。
信頼できる仲介会社を選ぶことで、M&A成功の可能性は高まります。








