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M&Aインタビュー No.10

ニュースターライン株式会社 取締役会長・創業者 鈴木 敏郎 氏
カンダホールディングス株式会社 代表取締役社長 勝又 一俊 氏

愛知県名古屋市で31年に渡りフォワダー業を営んできたニュースターライン(株)。後継者不在のため事業承継型M&Aを検討し、ストライクの仲介を経て、2014年4月、関東エリアを中心に物流業を手掛けるカンダホールディングス(株)に会社を譲渡した。今回は、ニュースターラインの創業者で現会長の鈴木敏郎氏とカンダホールディングス社長の勝又一俊氏にM&Aに至った経緯やその感想を伺った。

しっかりとした上場企業に事業を引き継いでもらうことが社員の幸せにつながると考えた

ニュースターラインの業務内容や沿革を教えてください。

鈴木会長:フォワダー業とは、物流業界において、荷主企業と輸送会社を仲介し、貨物の運送取扱や利用運送等を行なう業務を言います。我々の場合は名古屋港から船で輸出される貨物を扱っており、貨物は中京エリアの産業の趨勢によって変遷してきました。当初の主な貨物は、瀬戸の茶碗やタイルといった陶器、そして一宮の織物。その後はミシンや製造機械などに変わり、現在では多種多様な品目を扱っています。

これまでに為替の大変動や製造業の国外シフト、また競争相手の増加など厳しい時期は何度もありましたが、無駄遣いもせず地道にやってきたお陰で、創業からずっと黒字の無借金経営を続けています。

譲渡を検討されたタイミングは?

鈴木会長:私には息子がおらず、いずれ事業承継について考えなければなりませんでしたが、2012年の夏に最後の兄弟が亡くなり、自分も70歳を越えて、そろそろ事業承継に着手しなければと思いました。そこで、社員達に「誰か社長をやらないか?」と聞いてみたのですが、はっきりとした答えはなく、結論は出なかった。1~2年くらいは考えていたでしょうか。そんな折にストライクとのご縁があり、M&Aによって、しっかりした会社に事業を引き継いでもらったほうが社員達の幸せにつながるだろうと考えるようになりました。

勝又社長はニュースターラインのどこに魅力を感じられたのですか?

鈴木会長:第一印象から、とても良い会社だと思いました。当社は国内の陸運会社からスタートし、次第に運送会社から物流会社へと転身してきましたが、顧客企業の国際的な取引になかなか絡むことができずにいました。取引先が海外展開しても、我々の機能が追いつかない、国際物流のエキスパートがいない──そんなジレンマがありました。

その後、いろいろな縁があり、いろいろな人に来てもらって、3年前に国際物流をスタートしましたが、ニュースターラインが手掛けてきた海上輸出の取扱業務は、カンダホールディングス国際物流部門のウィークポイントであり、人材もいませんでした。そのため、ストライクに今回のお話をいただいたときは、ぜひ進めたいと思いました。

買収の目的は新規事業分野の人材を得ること
相手企業の「人」を大切にしたい

実際にM&Aを経験されて、感じたことがあればお聞かせください。

ニュースターラインの鈴木会長(左)とカンダホールディングスの勝又社長。
2013年12月の初面談で意気投合し、翌年1月には基本合意、3月には最終契約書締結というスピードでM&Aが成立したという。

鈴木会長:譲渡先を検討するにあたって、東京に拠点がある上場企業で、国内物流を行っている、しっかりとした規模感の会社という希望条件を提示していました。やはり譲渡先が上場していると、取引先も安心するものですね。

お話をいただいた当初、私はカンダホールディングスについてよく知らず、トラック運送の会社という程度の認識しかなかったのですが、知れば知るほど自分が考えていた条件にピッタリだとわかりました。また単に条件が合うだけでなく、社長同士の波長も合いました。勝又社長とは2013年12月に初めてお会いしたのですが、すぐに意気投合し、トントン拍子で今回のM&Aは進んでいきました。社長の人柄に惹かれなければ、条件が良くても、やはり譲渡していなかっただろうと思います。

2014年4月2日にM&Aを実行しましたが、その後も会社は以前とほとんど変わっていません。普通であれば親会社から、たくさんの会議だとか、就業規則の統一化だとか、いろいろな変化を求められることもあると思いますが、当社の場合は一切ありませんでした。変わったのは、私の肩書が会長になり、カンダホールディングスから新しい社長が来てくれたことくらいです。


勝又社長:買収を検討する会社の中には、取引先だけほしい、従業員はいらないという会社もあるかもしれませんが、当社はM&Aによって新しい業務の実務ができる人に来てもらい、新しい事業分野に取り組んでいく方針です。ですから、相手の企業に対してカンダホールディングス流を押し付けるのではなく、基本的には従来通りで良いと考えています。

就業規則は検討する必要があると思いますが、急がず、従来の規則を追認する形で変更していけば良いのではないでしょうか。国内の陸運会社と海外へ船で輸出するフォワダーでは、給与体系が極端に違っていても良いわけです。親会社が上であるべきと決めつけるほうが変ですし、給与水準を変えたりすると、せっかく来てくれた社員達のモチベーションを下げてしまうことになる。まずは相手の企業を尊重することが大切です。結局、企業は「人」ですからね。

最後に今後の展望があればお聞かせください。

鈴木会長:希望は、ニュースターラインが大きくなって、カンダホールディングスに報いることです。今回のM&Aは私の最後の仕事でしたからね。やっと肩の荷が下りました。

本日はありがとうございました。