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M&Aインタビュー No.14

株式会社オールアバウト 代表取締役社長
江幡 哲也 氏

総合情報サイト「All About」で知られる(株)オールアバウトは2015年2月、ファイブスターズゲーム(株)をM&Aにより戦略子会社化した。ファイブスターズゲーム社は特に位置情報を活用したアプリの開発力に強みを持つ気鋭のゲーム開発会社である。
オールアバウト社はこれまでにもWEBサービス系、生涯学習系など多様な業種とのM&Aを事業戦略に取り入れ、成功させてきたが、ゲーム会社とのM&Aは今回が初めてだ。そのねらいや経緯について、今回M&Aのをサポートしたストライクの代表・荒井邦彦がオールアバウト社のトップである江幡哲也氏にお話を伺った。

ゲーム会社を子会社化
リアルと連動した位置情報ゲームでO2O支援を強化

M&Aにより戦略子会社化したファイブスターズゲーム社について教えてください。

同社は主にスマートフォン向けゲームの企画・開発・運用を行っており、特に位置情報を活用したアプリの開発力に強みを持っています。同社が手がけた位置情報ゲームは人気が高く、海外に配信されているものもあります。

ゲーム会社とのM&Aは考えていなかったそうですが……。

そうですね。単にゲーム業界への参入をねらったM&Aは、今も考えていません。ファイブスターズゲーム社に魅力を感じたのは、同社の持つ位置情報ゲームの開発基盤と、当社グループの持つ多様なリソースを、いろいろな形で連動させ、シナジーを生むことができるからです。

さまざまな事業展開が考えられますが、O2O(※)がひとつのキーワードになります。O2Oと位置情報ゲームのプラットフォームは親和性が高いため、同社のプラットフォームを元にリアルと連動した位置情報ゲームアプリを開発するなどして、ゲーミフィケーション(※)の要素を含んだO2Oを提案していきたい。O2Oにゲーミフィケーションという発想はそれまで持っていなかったので、非常に面白い仕掛けができると期待しています。

※O2O(オンラインtoオフライン):インターネット上の情報発信によりリアルな店舗への集客を促すマーケティング施策
※ゲーミフィケーション:ユーザのモチベーションやロイヤリティを高めるためにゲームデザインの技術やメカニズムを応用すること

具体的にはどのような仕掛けが考えられますか?

例えばスタンプラリーのように、実際の店舗に足を運ぶことでポイントをためながら進めていく独自のゲームアプリを開発・提供する。流通業やFCのクライアントであれば、プラットフォーム自体の導入を提案することも可能だと思います。

グループ各社でファイブスターズゲームが保有するノウハウを活用して、エンタテイメント的な要素を持つソリューションを展開していくつもりです。

M&Aの決め手は数字よりも事業戦略と人柄
一緒に仕事をしたいと感じられる相手を選ぶ

創業3年目の若い会社とのM&Aに不安はありませんでしたか?

オールアバウト本社オフィスにて、ストライク代表の荒井(右)がお話を伺った。

何事にもリスクはつきもの。M&Aでは相手企業の成長に自分たちが寄与できるという自信が持てるか否かが重要であり、ファイブスターズゲーム社に関しては10倍、20倍もの成長に寄与できる自信を持っています。

ただ、M&Aの決め手になるのは数字よりも事業戦略と人柄です。当社は専門家ネットワークを基盤にいろいろなアイデアを実現することを旨としており、M&Aのねらいも一貫して専門家ネットワークの構築にあります。この人たちと一緒ならこんな面白いことができるとワクワクするような相手であることが大切ですね。

経営陣を送リ込まず、M&A以前のままにされた理由を教えてください。

それが一番良いと思ったからです。渡邉(幹雄)社長はまだ若いですが、とても落ち着いた印象で、次にやりたいことのビジョンとそれを実行するだけの経験・実力を持っている。ゲーム会社同士のM&Aには興味がない、他業種のほうがいいとおっしゃっていたのにも共感できました。ゲーム業界だけで終わりたくないという考えは、オールアバウトの目指すところと一致する部分が大きいのではないかと思っています。

ファイブスターズゲーム社の印象は?

“面白おかしく”に強いのが魅力ですね。オールアバウトは、顔が見える専門家の情報を提供するサイトとして信頼性が高いことが最大の強みなのですが、半面、真面目すぎて面白くないところがある(笑)。自分たちに欠けている要素を持つ会社と一緒に仕事をしてみたい、きっと良い経験になると思ったのも今回のM&Aを決断した理由のひとつです。

M&Aでは企業風土の融合が大事とも言われます。

私は企業風土は多様であるほうがいいと思っています。オールアバウトのサイトは月に3千万〜4千万人に利用していただくまでになっていますが、今やユーザは皆、情報武装していますから、ありきたりのことでは興味を持ってもらえません。そこで何千人、何万人の専門家ネットワークを駆使するわけですが、それを取りまとめる社員たちが“金太郎飴”では困ります。会社もグループ全体も、ライオンもいればキリンもシマウマもいる“動物園”であってほしいですね。

将来のビジョンなどについて共感できる基盤は不可欠ですが、その基盤の上にいろいろな企業、人にいてほしいので、M&Aにおいても「共感性」と「多様性」を重視しています。

最後に、今後のM&A戦略についてお聞かせください。

ベンチャー企業が成長を遂げていくためにはチャレンジ、変化が必要であり、M&Aはチャレンジ、変化を実現するひとつの手段です。これからもチャンスがあれば、スピード感を持って進めていくつもりです。

本日はありがとうございました。