INTERVIEW

徳島で創業して7年
培ったICT教育支援のノウハウをM&Aで全国に
~更なる成長を狙った50代社長の選択~

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アジア株式会社 代表取締役社長 竹本 雄一 氏

アジア株式会社 代表取締役社長 竹本 雄一 氏

政府が進めるGIGAスクール構想に参画し、学校に向けたICT教育支援事業で急成長する徳島市のアジア株式会社。創業7年目を迎えた成長のさなかの2022年3月、映像やIT、ロボティクス分野の製品やサービスを提供する上場企業のテクノホライゾン株式会社へ全株式を売却し、グループ会社となる道を選んだ。50代前半でM&Aを決断した竹本雄一社長にはどんな思いがあったのかお話を伺った。

GIGAスクール構想への参画で急成長
事業の全国展開を目指し、資金力を求めて決断

創業されたきっかけから教えていただけますか。

創業前の10年間、大手の事務機メーカーに勤めていましたが、次第に自分の思う通りに仕事ができない不自由さを感じるようになりました。大学の基盤システムであるネットワークやコンピューター端末の販売、運用、保守サービスなどを担当していましたので、そうした事業で起業をしようと決意し、独立しました。

現在の事業内容を伺えますか。

アジア株式会社の事業内容

ICT(情報通信技術)教育支援を事業の柱に、教育現場でのコンピューターやインターネットなどの環境整備と利用支援、機器販売のビジネスを展開しています。2019年から文部科学省が推進している児童・生徒1人1台のPC端末と高速ネットワークを整備する「GIGAスクール構想」にも参画して、四国、中国、関西エリアの小学校や中学、高校に、合わせて約18万台のタブレット端末を導入し、先生や子どもたちに使い方をサポートしています。

当社のお客様の多くは公的機関ですが、民間企業にも活用していただけるようにサービス内容を変換して提供しています。官民双方に事業展開しているところが当社の強みです。

業績を伸ばしているさなかでのM&Aということになりますが、なぜこのタイミングで会社を譲渡しようと思われたのでしょうか。

一番の理由は、まだまだ事業を大きくしたいと思ったときに、今のスタイルでは限界があると感じたことです。私たちよりも大きな事業規模の会社と提携することで、全国展開を目指したいと考えました。

M&Aを考えられたとき、竹本社長はまだ50代前半です。ご自身で事業を広げていく考えはありませんでしたか。

そうした思いは正直ありましたが、実はGIGAスクールでは、事業資金の面でかなり苦労しました。全国展開するには、さらに資金が必要になりますから、スケールの大きな会社との提携が全国に広げる一番の近道なのかなという考えに行き着きました。

ICT教育事業でのシナジー効果と全従業員の雇用を最重視
譲渡先の社長の「ひと言」が決め手に

譲渡する際の条件や相手企業の希望についてどのようなことを伝えましたか。

アジア株式会社 代表取締役社長 竹本 雄一 氏

私が重視したのは、譲渡価格よりも企業が一緒になることによるシナジー効果です。私たちはGIGAスクールを手がけてきましたから、この事業をさらに伸ばすために、同じ教育マーケットで活躍している企業というのが第一の希望でした。それともう一つは、現在の従業員をそのまま継続雇用すること。これが交渉条件でした。

譲渡先となるテクノホライゾンの名前が挙がったとき、どう思われましたか。

私はテクノホライゾンとM&Aができたらいいなと早い段階から思いました。同社の母体であるエルモ社は、書画カメラや電子黒板といった教育用ICT機器のブランドメーカーとして有名です。私たちは日々学校現場に足を運んで、先生や子どもたちの困りごとを解決したり、楽しい授業をするためにはどんなツールが必要かを考えたりして仕事をしています。良質な機器を提供しているテクノホライゾンと一緒になることは、そうした課題解決においても大きなメリットがあるのではないか、私がやりたかった事業展開が実現できそうだと思いました。

もう一つの決め手はテクノホライゾンの野村拡伸社長とお会いしたときに、「エルモ社のリソースは自由に使ってください。竹本さんのやりたいことを実現すればいいんです」と言ってくださった、その言葉です。事業への思いがつながったと感じました。

譲渡を決意されたとき、不安に思うことはありませんでしたか。

不安という点では、しっかりと結果が出せるだろうか、ということでしょうか。テクノホライゾングループの一企業として期待される実績を出さなければならない。当社が行っているGIGAスクールを始めとするICT教育支援事業を、今後どのように全国に広めるかを考えているところです。

M&A成立直後、全従業員にチャットで報告
「この会社が大きくなることがうれしい」と若手社員からメッセージ

M&Aを従業員にはどのタイミングで伝えましたか。

サプライズ感を出したかったので締結したその日に伝えました。テクノホライゾンは上場企業です。従業員にとって決して悪い話ではないと思いましたので、成立した時点で発表しようと最初から決めていました。30人の従業員全員にチャットで、「現時点をもって当社のM&Aが成立しました。明日からはテクノホライゾンのグループ会社として再スタートします」と伝えました。

従業員からは「本当ですか」「社長を辞めるんですか」などいろいろな質問がきましたが、「新たなスタートで、この会社が大きくなることがうれしいです」という若い社員から届いたメッセージを見て、この選択で良かったと思いました。従業員にはいつも、事業を大きくしていきたいと話していましたので、好意的な反応ばかりでした。みんなわかってくれていたのだと思えて、うれしかったです。

竹本社長は今後も経営のかじ取りをされますが、アジア(株)をどのように成長させたいですか。

私たちが最も得意としている学校現場で、先生や子どもたちをサポートするICT支援のノウハウを、エルモ社側と共有しながら事業を全国展開することです。そのなかで、エルモ社の教育用ICT機器やソフトウェアも広めたいと考えています。

また一方で、当社はソフトウェアロボットを使って業務効率化を図るRPA事業にも取り組んでいます。その民間企業への普及拡大も進めていきます。

交渉開始から4カ月で締結
思いをくみ取ってくれた担当者あってのスピード締結

交渉開始から締結までの期間はどれくらいでしたか。

竹本雄一氏とストライク和田、横山
竹本雄一氏とストライク高松営業部の和田、横山

野村社長に初めてお会いしたのは2021年12月で、22年3月のM&A成立ですから実質4カ月です。本当に短期間ですね。

今回の案件は高松営業部の和田さんと横山さんにサポートしていただきました。お二人とも私の希望条件やニーズをよく聞いてくださって理解されていました。シナジー効果を最優先に考えていた私の意向を汲んでテクノホライゾンを真っ先にご紹介いただき、交渉過程のレスポンスも早く、それがスピード締結につながったと思っています。相談開始から契約成立までの間にお二人とは数え切れないくらいお会いしました。そのフットワークの良さで、信頼関係が築けました。

上場企業の傘下になり、新卒採用の応募が3倍増
地元の大学生が全国で活躍できる場を提供できた

テクノホライゾングループ企業となってから変化は感じますか。

来年度新卒者の採用募集をしていますが、テクノホライゾングループの名前が加わったことで、応募者数が約3倍に増えました。これまで応募のなかった地元の大学の学生もいます。そうした大学生に当社の活動内容を知ってもらえたことがとてもうれしいです。教育現場で仕事をしたいと考える地元の若者に、全国で活躍する場を提供できるようになった。地方の企業がM&Aで手にできる成果だと思います。

最後に、M&Aを考えている経営者に向けて、経験者としてのアドバイスはありますか。

譲渡時の金額を重視することも大切ですが、やはりそれ以上に、自身がこれまで積み上げてきた事業をいかに評価してもらえるか、また、その事業をどのように継続していけるかが重要だと思います。そして、従業員の雇用が守られるのかも。当社の場合は給与も働き方においても従業員にとってプラスの面が多いと考えました。全国のさまざまな教育現場に足を運べるようになれば人材の成長速度も速まるでしょう。

M&Aは都会の企業間の話と思いがちですが、地方に根付いた事業をしている会社が、大手企業には魅力的に映ることがあるのだと、経験を通じて実感しています。

本日はありがとうございました。

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