ご成約インタビュー No.156
INTERVIEW
株式会社ノース 取締役社長 木幡 帝珠 氏
神奈川県川崎市を拠点に、20年以上にわたり総合人材サービスを展開してきた株式会社ノース。物流倉庫や食品製造、コールセンターなど幅広い業種への人材派遣で地域社会に貢献してきた一方で、会社は大きな転換期を迎えていた。社長就任と同時に、木幡社長は会社の財務状況という大きな課題に直面。その重責を一身に背負い、会社の立て直しに奔走した。そして、会社の未来と従業員の生活を守るための最善の道として、警備業界大手のシンテイ警備株式会社とのM&Aを決断。苦難の道を乗り越え、グループの一員として新たな一歩を踏み出した木幡社長に、これまでの葛藤と未来への展望を伺った。
会社の未来を背負って。社長就任と同時に向き合った経営課題
貴社の事業内容、特徴や強みを教えてください。
当社は総合人材派遣会社で、派遣できる業種には基本的に全て対応しています。現在は、神奈川県内の物流倉庫と食品製造、そして東京都内のコールセンターをメインに派遣を行っています。
強みとしては、神奈川県内の物流倉庫に広く派遣しているため、強固なネットワークを築いている点です。また、川崎で20年以上にわたり物流の派遣を手掛けてきた実績と横のつながりも大きな財産です。約2万人もの登録スタッフの中から、お客様のニーズに応じて迅速に最適な人材を派遣できる体制を整えています。
さらに、ブルーカラーとホワイトカラーの両方の職種を扱っているため、登録に来られたスタッフの方々へ多様な働き方を提案できるのも特徴です。例えば、軽作業を希望して来られた方でも、事務職の経験があればオフィスワークをお勧めしたり、逆にオフィスワークから少し離れて短期で働きたいという方には、軽作業のお仕事を紹介したりと、幅広く柔軟な対応が可能です。
今回のM&A案件はいつ頃からお考えになられたのでしょうか。
一度2019年頃に前社長が検討したことがありましたが、その時は実現しませんでした。今回の話が本格的にスタートしたのは、1年ほど前になります。
M&Aを考えた直接のきっかけは、私が社長に就任した際に直面した、会社の財務的な課題です。会社の状況を正確に把握し、未来へ向けてどう舵を切るべきか、真剣に考え始めました。
M&Aを実施するにあたり、どのような葛藤がありましたか?
社長に就任してからの3年間は、まさにこの経営課題と向き合う日々でした。まず最初に行ったのは、銀行に会社の状況を全て正直にお伝えすることです。何よりもまっすぐ向き合うことが大切だと考えました。
必死の思いで改善を進め、あと一歩というところまで立て直すことができました。だからこそ、最後の最後まで大きな葛藤がありました。このまま自分の力で完全に立て直し、会社を経営していく道と、グループに参画して共に成長していく道。どちらが会社にとって、そして従業員にとって最善の策なのか、簡単には答えが出せませんでした。
最終的に決断の決め手となったのは、会社を成長させること、そして従業員の将来を第一に考えた時です。特に若手の社員たちが、この先10年、20年と安心して働き続けられる環境を作るためには、盤石な基盤を持つグループに参画する方が会社として良い選択だと判断しました。
「人材」という共通項が生み出す、未来へのシナジー
シンテイ警備様を選ばれた決め手についてお聞かせください。
やはり同じ「人材」を扱っているという点が一番の決め手でした。シンテイ警備様は、弊社の10倍ほどの規模で日々警備スタッフの方を派遣されています。そこに大きな親和性とシナジーを感じました。
例えば、私たちが物流倉庫へ軽作業スタッフを派遣している一方で、シンテイ警備様も同じ物流倉庫の警備を担当されていることがあります。そういった現場では、クライアント様へ相互に案件を紹介し合うことができます。また、警備の仕事を辞めたいという方を弊社の軽作業へ、逆に軽作業から別の仕事へ移りたいという方を警備へと、人材を融通し合うことで、より多くの雇用機会を創出できると確信しています。
そして何より、こちらの状況を全てご理解いただいた上で、受け入れてくださったことが大きいです。私がこの数年間、課題解決に真摯に取り組んできたことを評価していただけたことが、本当に嬉しかったです。
シンテイ警備様を紹介された時の印象はいかがでしたか?
初めてお会いした時、非常に信頼できる方々だという印象を受けました。そして何より、会社をさらに成長させていこうというモチベーションが非常に高いことを強く感じました。
シンテイ警備様は50年もの歴史を持つ会社ですが、代表の安見社長から「まだまだこれから成長していく」という力強い気概が伝わってきました。その情熱に触れ、ぜひシンテイ警備様と一緒に未来を築いていきたいと心から感じました。トップ面談の際には「ぜひノースさんと一緒にやりたい」という言葉を直接いただき、そのことがとても印象に残っています。
M&Aは終わりではなく、新たな挑戦の始まり
M&Aによって、どのようなメリットがありましたか。
具体的なメリットが形になるのはこれからですが、すでに大きな手応えを感じています。シンテイ警備様との親和性を活かした事業展開の土台ができましたし、何よりも、長年悩んできた経営課題への不安、そして今後の人手不足という社会課題に対する漠然とした不安が取り除かれたことは、精神的に非常に大きいです。未来への道筋がはっきりと見えてきたように感じています。
M&A成立後は、安見社長自ら弊社にお越しくださり、従業員一人ひとりと個別で面談をしてくださいました。また、小田原の拠点やAmazonの倉庫にも役員の方々と一緒に足を運んでくださり、現場の様子を熱心にご覧になっていました。そうした真摯な姿勢を目の当たりにし、従業員たちも少しずつ安心感を抱いてくれていると思います。
今後の事業展開についてお聞かせください。
まずは、現在いただいているお客様からの受注にしっかりと応え、人員を確保していくことが最優先です。人材確保のためには、募集媒体を効果的に活用することに加え、シンテイ警備様の豊富な登録者の方々とも連携を図っていきたいです。今後1〜2年で、両社の登録者がスムーズに行き来できるようなシステムを構築することが重要な目標です。
そして5年後には、現在の売上を1.5倍にまで成長させたいと思っています。
孤独な戦いを支えた、信頼できるパートナーの存在
ストライクのサービスや担当者はいかがでしたか?
本当に粘り強くサポートしていただき、感謝しかありません。レスポンスが非常に速く、親身になってこちらの課題を一緒に考えてくださいました。
弊社の案件は、売上はあるものの財務的な課題を抱えており、非常に難しいものだったはずです。それを最後まで諦めずに、税理士の方々とも連携し、課題を解消するための財務スキームを何パターンも練ってくださいました。
そして、私が最後の決断に悩んでいた時も、時間をかけてじっくりと話を聞き、どちらの道が弊社の将来にとってベストなのかを一緒に考えてくれました。これまで一人で抱え込んでいた悩みを、まるで自分のことのように捉え、解決に向けて共に歩んでくれたこと、本当に心強かったです。成約が決まった時は、担当の大野さんと一緒に喜びを分かち合えたことが心に残っています。
今後、M&Aを検討される経営者の方にメッセージをお願いします。
経営者の数だけ、さまざまな状況や悩みがあるでしょう。会社の重責を一身に背負い、誰にも相談できずに一人で苦しんでいる方もいらっしゃるかもしれません。M&Aはほとんどの方が初めての経験で、決断には大変な勇気がいることだと察します。
しかし、悩んでいるのであれば、まずは専門家にお話を聞いてみることです。そこから見えてくる新しい道がきっとあるはずです。あの苦しい日々があったからこそ、今はもう何も怖くありません。M&Aという選択肢が、時に経営者にとって、未来を照らす一筋の光になることもあります。その一歩を踏み出すことが、会社と従業員、そしてあなた自身の未来を切り拓く上で何よりも大切なのではないでしょうか。
本日はありがとうございました。
M&Aアドバイザーより一言(大野 賢・企業情報部 アドバイザー談)

株式会社ノース様は、主に大手の物流倉庫やコールセンター向けに人材派遣事業を展開されている企業です。木幡社長は自社の成長を加速させるべく、派遣領域のさらなる拡大を企図されておりました。そうした中、今回のお相手であるシンテイ警備様とは異業種ではありましたが、「人材」を扱うという共通点から、双方で新たな雇用機会の創出を具体的にイメージできたこと、そして何より両社の誠実な姿勢が今回の良縁に繋がったと考えております。検討の過程では、M&Aの実施について思い悩まれる場面もありましたが、「ノース様の成長にとっての最善策は何か」という点を共に考え抜いた結果、株式譲渡という大きなご決断に至りました。成約後は速やかに、かつ良好な連携が開始されており、私としても大変喜ばしく感じております。今後も両社様の益々のご発展を心より祈念しております。
2026年3月公開
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