事例紹介

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親族承継

Case3

創業社長が急死
事業にはノータッチだった奥様が次のオーナーに!?

運送業を営むご主人が急逝され、株と多額の個人保証を継がざるを得なくなった奥様からのご相談です。

Rさんは、運送会社の創業社長であったご主人が70歳を目前にして急逝。ご主人の右腕だった専務が次の社長に就任することになりましたが、株式を買い取る資金は用意できず、Rさんが株を相続してオーナーになるしかない状況に陥りました(お子さんはいらっしゃいませんでした)。
同時に、●億円という多額の個人保証も承継せざるを得なくなりました。

Rさんは若い頃からずっと保育士として働いてきたため、事業にはノータッチ。会社のことも運送業のことも全くわからず、ご主人が亡くなられたときも「会社のことは社員の人たちにまかせておけば大丈夫」と思っていた、とのことでした。
実際のところ、Rさんにとって会社はあくまでご主人のお仕事で、自分には関係ないという感覚だったのではないでしょうか。ご自身が株の相続人になることも、個人保証のことも、よく理解しておられなかったのだと思います。
●億円という個人保証の額を聞いたときは、本当に途方に暮れたとおっしゃっていました。

このようなケースでは、次の社長が決まらず会社が存続の危機にさらされたり、オーナーの親族と経営陣の間で揉め事が起きたりすることも決して珍しくないのですが、同社の場合は、ご主人の信頼も厚かった専務が次の社長になることを快諾。経営陣はRさんに対しても非常に協力的で、「奥さんも大変だろう」と顧問税理士も交えて相談した結果、株を買い取ってくれる企業を見つけるのがよいだろう、ということになりました。
同社のような優良企業であれば、株を売却して個人保証を返済しても、まだ手元にお金が残るからです。

幸い同業大手とのM&Aがスピード成立。Rさんの株は貯金に変わり、個人保証の心配もなくなりました。従業員の待遇もアップして、その後の経営も順調と聞いています。

成功or失敗のポイント

オーナー社長が急死後、会社の事業には関わっていなかった家族が否応なく後継者問題に巻き込まれるケースは少なくありません。

Rさんの場合、トラブルに発展することなく事業が承継されましたが、これは非常に恵まれたケースだと思います。前述のように、オーナー家族と経営陣の間で揉め事が起きたり、次の社長が決まらず廃業の危機に陥ることもよくあるからです。
奥様が株と個人保証を継いで、オーナーになることも多いようです(場合によってはオーナー社長になることも)。女性社長の比率を年代別に見ると、80歳代が最も多いというデータが出ており、男性社長が亡くなった後に奥様がやむを得ず後を継ぐというケースは、今後さらに増えていくことが懸念されています。

高齢になってから、奥様が何もわからないままオーナーやオーナー社長になって、個人保証まで背負うのは、あまりも負担が大きいと言わざるを得ないでしょう。
それに経営のできない人がオーナーになることは、会社にとっても社員にとっても望ましいことではありません。

Rさんは「子どもがいなかったのに、相続のことさえ夫と話し合ったことがなかった」とおっしゃっていましたが、相続のことも事業承継のこともきちんと話し合っていないオーナーご家族は多いのではないかと思います。お子さんがいらっしゃる場合でも、その方が会社を継がないのであれば、同様の問題が起きることになります。
ご家族のためにも、今すぐ事業承継について話し合っておくことをお勧めします。