OUR HISTORY
日本のM&Aプラットフォームはここから始まりました
今から30年ほど前、90年代後半の日本において「M&A」という言葉は、まだどこか冷たく、縁遠い響きを持っていました。会社を誰かに託すことは、前向きな選択というより、人目を忍んで行う苦渋の決断と捉えられることも少なくありませんでした。
当時のM&Aは、大企業や一部の専門家だけが扱うクローズドな世界でした。中小企業の経営者にとって、自社の将来を託せる相手を探すことは容易ではありません。後継者不在に悩みながらも、相談先が見つからないまま時間だけが過ぎていく。そうした現実が、全国の企業にありました。
公認会計士として監査業務や株式公開支援、財務デューディリジェンスに携わってきたストライク創業者の荒井邦彦は、ある強い想いを抱いていました。
優れた技術や想いを持つ企業が、後継者がいないという理由だけで消えてしまうのは社会的損失である。
荒井は、当時普及が進んでいたインターネットの力でM&Aの壁を取り払えないかと考えました。会社と会社をもっと自由に、もっと最適につなげられないか。企業の情報を安全に整理し、必要な相手へ届けることができれば、中小企業にもM&Aという選択肢を開けるのではないか。
その想いから、当時アメリカで先行していたいくつかのサイトを参考にし、自らコードを書き、日本初のインターネットM&Aプラットフォームとして「M&A市場SMART(Strike M&A Rapid Trading system)」が誕生しました。
開設当時のSMARTとご挨拶/出典:Internet Archive Wayback Machine
1998年、SMARTの誕生と一通のメール
SMARTが産声を上げたのは、1997年7月のストライクの創業から1年後の、1998年10月でした。当時は「インターネットで企業の譲渡を扱う」という発想自体が新しく、懐疑的な声もありました。
サービス開始から半年ほど経ったころ、SMARTに一通のメールが届きました。それが、私たちの原点となる最初の成約案件でした。
送り主の企業オーナー様は、お体がお不自由で、お子様も社員の方々も事業を引き継ぐ意思がなく、まさに「八方ふさがり」に立たされていたのです。
成約まで、要した時間は約1年半。成約の日、オーナー様が見せてくださった安堵の表情と、心からの感謝は忘れることができません。その日から、一組、また一組と、ご成約の瞬間に立ち会うたび、私たちはこのプラットフォームの果たすべき使命を確信していきました。
企業を次の担い手へつなぐことは、単なる取引ではありません。経営者が築いてきた事業、従業員、取引先、そして地域に根ざした関係や想いを未来へつなぐことでもあります。SMARTはその実感を原点に、事業承継に悩む経営者と、成長機会を探す企業をつなぐ場として歩みを進めてきました。
M&Aは、人の想いでできている。
時代が進むにつれ、M&Aは事業承継の手段から、成長のための戦略へと役割を広げました。2016年のストライクの上場、そしてM&Aへの理解の浸透。SMARTにも多くのお問い合わせが寄せられるのが日常となりました。
M&Aは、成長企業の経営戦略において「当たり前のピース」となりました。企業の未来を切り拓くための「前向きな決断」として、社会のインフラとなったのです。
今では、多くの企業に「M&A担当者」という役割が生まれ、自らの手で会社の未来をデザインするプロフェッショナルたちが大きな重責のもと活躍しています。
だからこそSMARTは、マッチングの場としてはもちろん、日々現場で奔走し、企業の成長を背負うM&A担当者の想いも支え、確かな決断に近づくための総合M&Aプラットフォームへ進化していきます。
