M&Aによる課題解決

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M&A業界動向 マンション管理

マンション管理業界基本情報

市場規模 成長率
0.6兆円 3.5%増
業界定義 管理組合から委託を受けて「管理事務」を行う事業
(国土交通省「マンション管理業とは」)
市場規模 6,290億円
(矢野経済研究所)
成長率 3.5%増
(矢野経済研究所)
業界シェア 大手管理会社による寡占化が進み、上位15社が過半数のシェアを占める。

マンション管理業界分析

収益性に波があるビジネスが多い住宅・不動産業界において、景気に左右されづらく、ずば抜けた収益の安定性を誇るマンション管理業界。大規模な設備投資を必要とせず、人件費も管理戸数に応じて計画的に増やせるなど、経営リスクが少ないという強みを持つ。一般社団法人マンション管理業協会によると、同協会会員である389社の管理受託戸数は10万2629棟(前年比2.7%増)、521万5237戸(3.0%増)と堅調に推移している。

全国の分譲マンションの新規発売戸数は2010年から2012年にかけて、3年連続で増加する見込み。2011年の東日本大震災直後は一時、首都圏を中心に消費者心理が冷え込んだものの、低金利や政府の住宅購入促進策に下支えされ、市場は回復基調にある。また、来春に予定されている消費税率の引き上げによって、駆け込み需要が増加することも予想される。

新規の分譲マンションではほとんどの場合、売り主である開発業者(ディベロッパー)の系列会社が請け負うことになる。かつてはその管理会社が半永久的に管理を任されるのが一般的だったが、2001年に「マンション管理適正化法」が施行されたあたりから状況が一変する。開発業者を親会社に持たない“独立系”と呼ばれるマンション管理会社が台頭。低コストを売りにした営業攻勢をかけ、管理会社変更(リプレース)に踏み切る管理組合が続出した。

マンションの受託経緯を新築物件と既存物件に区分すると、新築物件が戸数比で72%、既存物件が同じく28%となっている。また、受託先別に見ると、「系列企業から受託」が戸数比50.1%、「非系列企業から受託」が48.1%、「自社分譲」が1.8%。

非系列企業からの委託の割合が微増していることがわかった(いずれも一般社団法人マンション管理業協会調べ)。

リプレースが活発化すると、必然的に管理会社間の価格競争が激しくなる。しかしながら、平成20年度に実施された国土交通省「マンション総合調査」によると、現行の管理費を「減額すべきである」と答えたのは全体の7.8%に過ぎない。管理組合側も、マンション管理のクオリティを引き替えにしてまでの値下げは望んでいないと推察される。

さらに、政府の住宅政策がストック重視に転換したことにより、マンションの資産価値を維持する重要な要因として、マンション管理業に対する関心は高まる一方である。各社は従来の管理組合への運営支援などの業務に加え、家事のサポート、リフォームやインテリアの相談、コミュニティ作りといったきめ細やかなサービスを展開。マンションの老朽化や居住者の高齢化、耐震化、防災対策など、管理会社が果たす役割は多岐に渡る。

マンション管理業界のM&A動向

比較的小規模な事業者が多く、M&Aが継続的に行われているマンション管理業界。多額の設備投資を必要としない事業はスケールメリットが効きづらいという見方もあるが、受託戸数が多くなるほどノウハウが蓄積される他、巡回効率の向上やシステム投資の効率化など、M&Aとの親和性は高い。

2013年1月には東急コミュニティがユナイテッドコミュニティーズを子会社化することを発表。このM&Aにより、同社グループのマンション管理受託戸数は45万戸となり、大京グループを抜いて、業界トップに躍り出た。一方、大京は翌2月には子会社の管理会社である大京アステージと、同じく子会社であるジャパン・リビング・コミュニティの合併を発表した他、4月に穴吹工務店を買収。顧客基盤を融合しつつ、多角的な事業展開を目指すという。

人口の減少や住宅の充足などにより、今後、新築マンションの供給数が伸び悩むことは想像に難くない。今後ますますM&Aによる業界再編は加速度を増すものと推察される。

マンション管理業界における企業価値の目安

マンション管理会社では主に住民からの管理費が主な収入源となっている。EBITDA倍率は7~8倍の会社が多い。当グラフ上でEBITDA倍率が低い会社は、主に直近の決算時の株価が低いためEBITDA倍率が一時的に低く算定されている会社である。現時点での株価で算定したEBITDA倍率は6~7倍となっており、マンション管理会社のEBITDA倍率は6~8倍であることが分かる。

業界の流れとしては、2013年の新築マンションの供給が前年に比べ増加する見込みであり、売上も増加が見込まれる。

新築マンションの恩恵を受けられない場合、売上を増加させるためには既存のマンションから受託する必要がある。したがって、売上を増加させるためにM&Aによりマンション管理会社を買収し、受託戸数を増加させるケースが今後も増加することが予想される。なお、受託戸数が5,000戸未満の会社は全体の65%ほどで(一般社団法人マンション管理業協会の平成24年マンション管理受託動向調査結果)、M&Aの余地は十分にあると考えられる。

関連情報

関連法規

  • マンション管理適正化法