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M&A業界動向 アパレル

アパレル業界基本情報

市場規模 成長率
9.2兆円 1.4%増
業界定義 衣料品の生産、流通、販売に携わる業態を指す。さまざまなアパレル商品を扱う総合アパレルから、婦人服、紳士服、子ども服などを専門的に扱う専業アパレルまで多岐に渡る。
市場規模 9兆2,925億円
(矢野経済研究所「アパレル産業白書2014」)
成長率 7.8%減
(矢野経済研究所「アパレル産業白書2014」)
業界シェア 業界トップは、カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングで売上高は、1兆1,430億円。2位はしまむらで5,018億円、3位はワールドで3,173億円となっている(2014年3月期)。

アパレル業界分析

2013年の市場規模は前年比101.4%増の9兆2,925億円となり、紳士服、婦人服、ベビー・子ども服のいずれも堅調に推移した。また、都心部では大手百貨店の大型改装効果により、衣料品売り上げが伸長した。

業界で最も顕著な成長を遂げているのは、カジュアル衣料ブランド「ユニクロ」「ジーユー」を手掛けるファーストリテイリングに代表されるSPA業態の企業だ。ファーストリテイリングは、2014年10月に発表された連結決算(2014年8月期国際会計基準)で売上高1兆3,829億円と過去最高を更新、11年連続の増収を記録した。世界に目を向けても、「ZARA」を展開するインディテックス(スペイン)、H&M(スウェーデン)、GAP(アメリカ)らSPA業態の企業が市場で圧倒的なシェアを築いている。

こうした成功例を追う形で、国内では多くの企業がSPA業態への転換を進めている。「LawrysFarm」や「GlobalWork」を手掛けるアダストリアホールディングス、「UNTITLED」や「TAKEO KIKUCHI」を展開するワールドなどが、その典型例といえるだろう。

アパレル業界を勝ち抜くもうひとつのポイントは、新たな販売チャネルへの対応力だ。かつてメインストリームだった百貨店が販売力を落とす中、近年では、大型ショッピングセンター(SC)への出店が重視されてきたが、今後、重要なチャネルとなるのはネット通販である。経済産業省「電子取引に関する市場調査」からも、ここ数年ネット通販市場が急拡大していることは明白だ。しかし、洋服にはサイズや似合うかどうかという問題があるため、すべてがネット通販へ移行することはありえない。今後は、店舗で確認してネットで買う、あるいはネットで探して店舗で買うといった購買行動が拡大すると予想されており、実店舗とネット店舗を融合するオムニチャネル化が、事業成長のカギを握るといわれている。

アパレル業界のM&A動向

アパレル業界での大きなニュースとしては、2012年12月、三井物産はポール・スチュアート(ニューヨーク州)という世界的に成功を収めた老舗高級ブランド「Paul Stuwart」を買収したことだ。Paul Stuartブランドは、欧米及びアジア約30カ国で商標登録されており、この買収を通じて、三井物産は本格的なグローバルブランド事業に進出すると発表。また、日本市場では、同ブランドを三陽商会等にサブライセンシーとして提供することで事業基盤の強化を目指すという。

一方、国内では中堅企業によるブランド拡充のためのM&Aが活発に行われている。婦人服ブランド「アースミュージック&エコロジー」を展開するクロスカンパニー(岡山)は、2013年1月に「SM2(サマンサモスモス)」などを企画・製造・販売するキャン(東京)を買収、サマンサタバサ・ジャパン・リミテッド(東京)は、2013年6月に「レストローズ」を展開する婦人服アパレルのラ・エスト(東京)を買収した。さらに、繊維専門商社の瀧定大阪(大阪市)は、2013年8月にウィメンズブランド「THEATRE PRODUCTS」を展開するシアタープロダクツを、ルック(東京)は2014年4月に「LAISSÉ PASSÉ」「Début de Fiore'」の2ブランドを展開するレッセ・パッセ(東京)を買収。

国内市場は、少子化や若年層のファッション離れにより市場の拡大は難しいと予想されており、限られたパイを奪うには、すでに人気ブランドを買収するか、1枚でも多く販売するための場所を確保するチャネル拡大か、あるいはその両方の戦略が求められる。こうした背景を受け、アパレル業界では引き続き国内外で活発なM&Aが続くと予想される。

アパレル業界における企業価値の目安

EV/EBITDA倍率は平均7.7倍だが、一方で10倍を超える企業の割合も高いなど、分布はばらついている。なお、分布としては4~10倍台が62%を占めている。

国内市場の縮小や新興国マーケットの拡大に伴い、アパレル業界はSPA型への転換など、ビジネスモデルの変革が進んでいる。なお、アパレルの世界では、底堅い人気を誇るブランドも存在しており、見かけの数字だけでは企業価値を適切に判断できないケースがあることに留意したい。また、気候や流行、景気に商品の売れ行きが左右されやすく、前年実績などの数値だけみていたのでは将来予測が難しい業界でもある。

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