2018年業界ニュース

2018/09
ビルメン虎の穴:Vol.9
私たち自ら「未来のビルメンテナンス」を創ることに挑戦すべきてはないか。

本誌記事でもご紹介しているとおり、いよいよ全国協会の「ビルメンテナンス・サービスの新しい仕組みの開発」事業が、会員の皆さまにご案内できる段になりました。まずは「明日のビルメンテナンスを考える対話の会」と題したキャラバン企画を、全国9地区で開催させていただきたいと考えています。

キャラバンでは「業界が抱える問題の”本質的な”原因と解決の方向性とは?」「顧客に真に必要とされる、ビルメンテナンスの”新たな価値”とは?」「未来のビルメンテナンス業、会員はどうあるべきか?」などのテーマについて、会員の皆さまと対話をし、業界のビジョン(未来の意思)を共有するとともに、それを実現するための実効性のある施策を作り上げていく第一歩としたいと考えています。

本稿の第一回でも触れましたが、ビルメンテナンスは誕生からこれまで、ユーザーの「(本業以外の部分での)労務の煩わしさから開放され、しかも安価」というニーズを満たし、新設ビルの増加、ストック量の累積も背景として、急速に伸張してきました。しかし誕生から半世紀を経て、社会ニーズは変化して業のライフサイクルは「成熟期」から「衰退期」へ移行し、その”症状”の一部が、価格のみの競争激化や人手不足の深刻化といった形で現れていると考えられます。

製品やサービスには、例外なくライフサイクルがあります。過去どんなに”当たり前”と思われていたものでも寿命を迎え、ニーズの変化や技術の進化に適応して誕生した”新たな価値”を持った別の製品・サービスに代替されてきた歴史があります。(例)「音楽を聴きたい」ニーズ:レコード→CD→ダウンロード販売、「人・物を運びたい(運輸)」ニーズ:人力車→馬車→自動車、など。

同様に、「清潔な環境で過ごしたい(清掃)」ニーズについても、新たな価値を持った別のサービスが誕生し、それがビルメンテナンスに取って代わることも、十分に考えられるわけです。こうしたビジネス・イノベーションを異業種が成立させた場合、私たちが事後対応で存続していくことは、相当に難しいはずです。ならば、私たち自ら「未来のビルメンテナンス」を創ることに挑戦すべきではないかと、全国協会では考えています。

このような認識を共有し、いまのビルメンテナンスが抱える閉塞的な状況を打破し、会員の皆さまとともに未来を切り開いていくのが「ビルメンテナンス・サービスの新しい仕組みの開発」事業です。

キャラバン隊がお近くに来た際には、ぜひご参加いただければ幸いです。

(月刊ビルメン「ビルメン虎の穴」9月号より)

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