2015年業界ニュース

2015/04
2,000㎡以上の非住宅から国土交通省
省エネ基準義務化へ新法

国土交通省は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」(仮称)を通常国会に提出した。延べ面積2,000㎡以上の非住宅建築物を新築する際に省エネ基準への適合を義務付ける。新築は2010年までに非住宅、住宅とも大規模、中規模、小規模へと拡大させ、既存建築物への規制も強化する。省エネ対策は省エネ法の努力義務による枠組みが、基準への適合を義務づける制度へと抜本的に強化されることになる。

省エネ対策は、昭和54年6月に制定された省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づき進められてきた。同法では、断熱性や気密性などの性能基準を定める「建築主の判断基準」など省エネルギー基準のほかさまざまな対策が講じられているものの、基準への適合については努力義務にとどまっている。政府が2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」では、エネルギー需給に関して講ずべき施策を示す第3章で「2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する」との文言が盛り込まれている。

これらを踏まえ社会資本整備審議会は、2014年10月に国土交通大臣から「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」の諮問を受けて審議を進め、2015年1月に答申をまとめた。答申では、建築物の新築時に石油、天然ガスなどに換算した一次エネルギー消費量基準への適合を段階的に義務化する方針を打ち出した。当初は新築の大規模非住宅建築物を対象とし、大規模の住宅、中規模、小規模の住宅、建築物へと拡大させる。基準の適合審査は民間機関を活用する。既存建築物については大幅な増改築に関する規制的手法を強化する。

これを受け、国土交通省は今通常国会(第189国会)に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」(仮称)を提出した。2,000㎡以上の非住宅建築物に建築物のエネルギー消費性能基準の適合性を確保するための制度を創設する。

エネルギー消費性能向上計画(仮称)の認定制度創設などの措置も講じ、省エネ性能に応じた資産価値評価や市場における選択行動を通じて省エネ性能に優れた建物の整備を誘導する。

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