2014年業界ニュース

2014/12
人材ビジネス市場に関する調査:矢野経済研究所
人材派遣業市場は微増で推移

昨年、アベノミクス効果による景気の上向きに伴い、人材派遣市場は2009年以降続いていた市場縮小に歯止めがかかったものの、需要に対する供給が追い付いていないのが実状となっている。矢野経済研究所が今年7~9月にかけて実施した人材ビジネス市場に関する調査結果によると、人材派遣に対する需要は活発化しているものの、スタッフ不足がより深刻さを増していることから、今年度の人材派遣業の市場規模は微増にとどまると予測している。また、人材紹介業の市場規模は紹介手数料単価が上昇したことなどにより、2010年以降4年連続で拡大。今年度も引き続き高水準の人材紹介需要が続いていることから、さらに市場が拡大すると予測している。

一方、再就職支援業の市場は、中長期的な労働力不足に対する懸念から企業の求人に対する意欲が高まったため、景気と逆相関の関係にある岡市場の規模が縮小、今年度も同様の傾向が続くことから横ばいでの推移を予測している。

昨年度の人材派遣業の市場規模は前年度比1.7%増の3兆7,800億円。企業の求人意欲の高まりから、若年層が正社員として採用される傾向が強まっており、派遣スタッフの数が確保しきれていないことから、人材派遣需要のニーズに業者が対応できず、受注のとりこぼしが生じ売上高ベースでの伸び率は高くなっていない。今年度の人材派遣業の市場規模は前年度比1.9%増の3兆8,500億円と引き続きの微増が予測されるが、スタッフ不足に歯止めがかかるかどうかがポイントとなる。

人材紹介業の昨年度の市場規模は前年度比13%増の1,300億円。IT関連の技術者や企業のグローバル化を背景に活発な求人が見られ人材紹介業市場は好調に推移した。今年度は好景気継続との判断から引き続き高い水準での推移が見込まれ、特に高度な専門性を有する高スキル人材への需要が高まると見ている。

再就職支援業の昨年度の市場規模は前年度比0.3%減の310億円。好決算の大企業が多かったことなどから市場は縮小し、今年度も同様の傾向が続いていることから、市場規模は前年と同水準での推移が見込まれている。

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