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M&Aインタビュー No.25

株式会社三和サービス 代表取締役
水野 守道 氏

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愛知県下において新車・中古車販売店等を9 店舗(Duxy(デュクシー):5 店舗、J-auto international:2店舗、マッハ車検:1店舗、SANWA FACTORY:1店舗)を展開する株式会社三和サービス。独自にドレスアップした新車販売や、顧客のニーズに合わせた全メーカー車種の販売、充実した保証サービス、月々2 万円からのリースサービスなど、顧客に寄り添ったサービスを強みとして急成長している。創業者の水野守道氏はさらなる飛躍を果たすため、さまざまな選択肢を検討。その結果、大手投資会社から資本注入を受け、積極的な成長戦略を実現できる環境を整えた。その経緯や心境、今後の事業展開について、水野氏にお話を伺った。

企業にとって一番大切なのは「人」
社員とともに成長し続けるため外部資本の注入を決断

会社の設立からこれまでの事業発展の経緯を教えていただけますか。

会社は22歳のときに創業しました。大学を卒業し、起業することは決めていたものの、そのときは何を本業とするのか決めていませんでした。たまたま知人の保険業者とのつながりの中で、自動車販売に取り組むこととなりました。ただひたすらに、経営者として人を育成し、組織を作り、お客様のご要望にお応えする中で20年以上が経ちました。

単に自動車を販売するだけでなく、車をドレスアップさせるカスタムパーツの自社ブランドを立ち上げました。そのパーツを施したオリジナルモデルの新車販売は非常に人気があります。また、自動車の新しい買い方として、車両本体の価格に車検費用や自動車税等ももろもろ加えた自動車リース「リースナブル」という購買方法も考案しました。「リースナブル」は、自動車の購入に必要な費用(登録料、自動車取得税、自賠責)や車検代を包括し、ローンより安い月額支払いで新車に乗ることができるサービスです。乗り換えも可能で、常に最新の人気車種に安く手軽に乗れるので大好評となっています。

サービスと同じようにこだわって取り組んできたのは人材育成です。まずは徹底的に社員教育を行いますし、モチベーションを上げるためにどうすれば良いかを考えます。働くという意味を社員が理解し、同じ方向を向いて働けるような組織を作る。その積み重ねがあるからこそ業績は右肩上がりが続き、8 年連続でJU 愛知の年間MVPを受賞、今年のJUクレジット年間表彰では、全国1 万社を超える販売店の中で最優秀会員店賞(全国MVP)を受賞するまでになれたのだと思います。

会社が成長する中で、協業パートナーを模索された背景や経緯を教えていただけますか。

「経営者として私心や感傷にとらわれず、自身の会社が今後どのように成長していくのがベストなのかを考えることが大切です。足りないものがあれば外部から取り入れるくらいの気概を持つと、重要な決断もしやすくなるのではないでしょうか」と語る水野氏。愛知県清須市にある同社のオフィスにて。(写真左はストライクの担当の山田)

今の三和サービスをもっと成長させる上で、私の個人オーナー会社ではなく、より安定した組織にしたいと思ったからです。特に、資本の部分を強化する必要を感じていました。

これまで20年以上、三和サービスは社長である私と一心同体でした。自動車販売という事業を成功させるためには、ある程度の規模と資金が必要です。企業というのは、ずっと成長させ続けなければなりません。「これくらいでよいかな」「維持しようかな」と思った瞬間から緩みが出るでしょう。競争が激化している昨今、常に上昇し続ける意識と行動がなければ現状維持すら難しいものです。

まず、資本については私の個人会社という状態をやめようと思いました。個人にリスクが集中しすぎていると、私が倒れたら大変なことになります。リスクが顕在化する前に資本を安定させ、私は会社を次のステージに引き上げることに注力したい。そこで、資本を注入してくれるとともに、人材採用や教育、社内のガバナンス強化などで支援してくれるような事業パートナー探しをストライクさんにお願いしたのです。

外部から資本を注入すると、経営者によっては「自分だけの会社ではなくなる」と寂しく思われる方もいらっしゃいます。

そもそも会社は自分だけのものではありません。もしそう思われているのであれば、それは組織ではなく、個人事業主と同じですね。経営者の価値観は人それぞれだと思いますが、私は会社を私物化する考え方は社員のためにならないと考えています。社内でも常に言っているのですが、三和サービスは「組織体」です。

会社が成長し業績が伸びたら、それは共に成し遂げた社員に還元すべきものです。社員が業務の中で目標に向けて日々努力し、努力を通じて人間的な成長を果たせれば、その成長が社員にとってのやりがいや人生の喜びを生むでしょう。そして社員のやりがいや喜びが大きくなればなるほど、より組織が成長する好循環が生まれます。だから一緒に業績を上げ、「会社を大きくしようよ!」と社員に言えるのです。社員のためにもっと会社を大きくし、昇進できるポジションを多く設けたほうが会社にとって良いと思います。

自社を次のステージへと成長させる
そのための手段を早めに模索し決断すべき

協業パートナーはどのように探し、今はどのような関係なのでしょうか

協業パートナーを探す上で、最重視したのは提携後の関係。経営は引き続き水野氏が担うことが前提だった。「協業パートナーは自立している投資先を求めていた。そこで利害関係が一致しました。私たちの事業計画と実行力を評価してくださったパートナーの先見性と決断力には感謝しています」

私が協業パートナーを探す上で、一番重要視したのは提携後の関係です。私たちは資本を注入していただいた上で、経営は引き続き私たちが担うことが前提でした。

パートナーを探す前から、私たちは今後の5 か年計画を作成していました。計画達成のためには相当な投資が必要です。これまで通り、自社で資金調達をして、自分たちだけの力で取り組むか、それとも資本を安定させ、足りない部分を補ってもらえるパートナーと取り組むか、という違いだけでした。

私は資本を安定させた上でこの5 か年計画に取り組みたかった。今回提携した協業パートナーは、自立している投資先を求めていた。そこで利害関係が一致したのです。私たちの事業計画と実行力。それに投資してくださった協業パートナーの先見性と決断力には感謝しています。

私は引き続き代表取締役として経営に専念し、5か年計画の着実な遂行に取り組めます。一方で、経理や総務といった管理部門については、協業パートナーにサポートをお願いしています。

最後に読者の経営者の方へアドバイスをいただけますか。

前提として、目指すべき高みに自力で到達できるならば、それはそれで良いことだと思います。実際、そういう会社もたくさんあります。もし、自分たちだけでは足りない、または自力成長では時間がかかりすぎると思うなら、早い段階で外部の協力を検討したほうが良いでしょう。シナジー(相乗効果)を活かせる相手でもいいし、資本提携でもいい。いろいろな提携のやり方があるでしょう。

今回、私は外部の協業パートナーに資本を注入してもらい、自社をより高いステージへと成長させていくという決断をしました。今回の自分の取り組みを振り返ると、その決断を早いタイミングで下せたことが非常に良かったです。

経営者として私心や感傷にとらわれず、自身の会社が今後どのようになるのがベストなのかを考える。足りないものがあれば外部から取り入れるくらいの気概を持つと、重要な決断もしやすくなるのではないでしょうか。

本日はありがとうございました。