M&Aによる課題解決

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M&Aに関する税制

M&Aに関する課税ルールが一本化されました。これを「組織再編税制」といいます。

平成13年度の税制改正以来、何回かの改正を経て、「合併・会社分割・現物出資・事後設立・株式交換・株式移転」という組織再編行為が行われた場合の課税が見直しされ、これまでM&Aの手法によりばらばらであった税制が一本化されました。

M&Aを実行する際において、非常に大切な税務知識となりますので、なるべくわかりやすく説明したいと思います。なお、課税の取扱いはケースバイケースで非常に複雑なため、実際は専門家にご相談下さい。

組織再編税制の基本的な考え方

基本のきほん

ある企業が企業活動の中で1年間 (1事業年度) で得た所得に対しては「法人税」が課税されます。

法人税の課税対象となる企業の所得は、実現した取引に対して客観的な金額で認識されなければいけません。また、企業の取引活動の中でも、株主を相手とする株式やお金のやり取りは「資本取引」といわれ、原則として法人税の課税対象とはなりませんので、他の一般の営業活動とは区別されます。

ところがある企業が「合併・会社分割・現物出資・事後設立・株式交換・株式移転」のいずれかのM&A (以後、組織再編といいます) を行った場合、企業が株主から受取るお金の性質は、資金の調達であり (売上ではない)、株主が企業から受取るお金の性質は、利益の分配である配当金 (商売上の経費ではない) となります。

このような組織再編を行う場合、対価が株式であるなど金額の評価において問題が発生したり、株主相手に現金や株式を交付することがよくあるため、それらの行為と資本取引を区別する必要が生じます。

こうした背景から、法人税の対象となる課税所得を計算する上で、「企業組織再編税制」という規定が設けられたのです。

どう違うのか?

法人税法上においては、法人が有する資産を移転した場合、「時価による譲渡」があったとみなして譲渡損益を認識するのが原則です。

ただし、資産を移転する相手が株主であった場合、原則配当とみなされます。配当を受取った株主が法人である場合、法人税法上では、受取配当金は「益金不算入」となりますが、個人の株主については、配当金に所得税が適用されるため、実効税率で最高55%の累進課税が課せられ(住民税含む)、税負担が大きく違ってしまいます。

また、同じグループ内で企業再編をする際においては、個々の会社単位で法人税を課税すると、グループ全体での実体経済がないにも関わらず、多額の税金が課税されてしまうという不合理が生じてしまいます。

以上の問題に対して、組織再編により資産を移転する前後で実体経済に特に変更がないと認められる場合等には、従前の課税関係を継続させることが適当とみなされ、組織再編の一定要件 (これを「適格要件」といいます) を満たす場合に限り、資産移転の譲渡損益を繰り延べることが出来ることになりました。

課税繰り延べが認められる組織再編成を「適格組織再編」といい、繰り延べが認めらないものを「非適格組織再編」といいます。これが組織再編税制の基本的な考え方です。

つまり、組織再編を行う場合、税務上の適格要件を満たすかどうか? という該当の可否が非常にポイントとなります。