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買い手の税金対策

買い手企業は、できることなら投資回収を早めに済ませて、事業の成長や次の買収に資金を使用したいところです。そのためには税金の支払いを抑制する工夫が大事です。

買い手が支払う税金

基本的には買い手に税金はかかりません。ただし事業譲渡の場合、固定資産などの課税資産に消費税がかかります。

M&A手法 税金の種類と税率 支払人
株式譲渡 税金はかからない
事業譲渡 【消費税等】
売掛金などを除く課税資産の譲渡額の8%
会社
第三者割当増資 税金はかからない

手法ごとの節税対策 (買い手の場合)

株式譲渡

株式譲渡によって買収した場合、投資額を経費処理することはできません。その代わりに株式譲渡代金の一部を退職金として売り手企業から売り手経営者に支払うことにより、経費処理をすることができることになります。

ただし、過大な退職金は税務調査で経費として認められない可能性もありますので、退職金は功績倍率等により算出される適正な水準に留めておくべきです。

退職金を用いた場合のシミュレーション
例1:「営業利益5,000万円の企業を買収するケース」
(1)全額を株式譲渡代金とした場合
  1年後 2年後 3年後
営業利益 5,000万円 5,000万円 5,000万円
源泉所得 5,000万円 5,000万円 5,000万円
法人税等 1,500万円 1,500万円 1,500万円
純利益 3,500万円 3,500万円 3,500万円
蓄積CF 3,500万円 7,000万円 1億500万円
(2)一部を退職慰労金とした場合
  1年後 2年後 3年後
営業利益 5,000万円 5,000万円 5,000万円
源泉所得 0万円 0万円 0万円
法人税等 0万円 0万円 0万円
純利益 5,000万円 5,000万円 5,000万円
蓄積CF 5,000万円 1億円 1億5,000万円
※退職金の支払額が全額繰越欠損になるものと仮定。

退職金を用いた方が、法人税等の支払額をおさえることができ、累積CFが4,500万円も違う。

例2:「純資産3億円、営業利益5,000万円の会社5億円で買収するケース」
(1)全額を株式譲渡代金とした場合
毎年のCF:5,000万円 ×(1-30%)= 3,000万円
投資回収期間 = 正味投資額 ÷ CF
=(5億 - 3億) ÷ 3,000万円
約6年
(2)1.5億円を退職慰労金とした場合
最初の3年のCF:税金がかからないので毎年5,000万円
その後のCF:3,000万円
投資回収期間:3年までに1.5億円の投資回収が完了
(5億 - 3億 - 1.5億) ÷ 3,500万円 + 3年 = 約4年

投資回収が2年も違う。

事業譲渡

事業譲渡の場合、のれん代 (営業権) を償却し経費として処理することができるほか、固定資産の耐用年数において中古資産の短い耐用年数を使用することができます。