M&Aの業界動向 飲食業

2010年 業界動向(飲食店・飲食チェーン)

業界定義
食事をする空間とともに食事を提供する形態の業種を指す。食堂、レストラン、ファーストフードや喫茶店(カフェ)など一般に「飲食店」と称する業種
業界シェア
上位10社で10%弱のシェアを占めている。
市場規模
21兆円

(2006年事業所・企業統計調査(総務省))

成長率
3%減

(2008年、集団給食を除く。外食産業総合調査研究センター調査(H21.6推計)より算出))

景気の低迷で内食傾向・低価格志向が高まり、価格帯による業績格差が生じている。比較的高価格帯のロイヤルHDは大幅減益、すかいらーくやセブン&アイフードシステムズは赤字となった。一方、割安感のある価格帯の王将フードサービスやサイゼリヤは増収増益(営業利益ベース)となった。また主力メニューの値下げを行なったゼンショーや松屋も大幅増益となった。

外食産業市場規模

また、食の安全も重要テーマとして、食品偽装から狂牛病・鶏インフルエンザ、口蹄疫など、特定の食材にダメージを与え、売上げが低下するなどリスクがある。

国産にこだわる消費者も多く、地産地消の食育に力を入れる自治体も多い。

2009年の外食産業は、世帯1人当たり外食支出額、法人交際費などの減少により、2009年の外食産業市場規模は、前年実績を下回り前年より2.3%減少し、23兆9,156億円と推定した。

近年の大型M&Aとしては、ゼンショーによるアートカフェ(「アートコーヒー」を展開)の買収(2009年)、華屋与兵衛の買収(2008年)が挙げられる。上場している外食企業では経営陣によるMBOも多く行なわれており、一例として、あきんどスシロー(2008年)、すかいらーく(2007年)、レックスHD(2006年)などが挙げられる。ただし、MBO実施時の買付価格を巡って個人投資家から訴訟が提起されたり、MBO後の業績低迷により創業者が代表を解任されたりするなど課題も多い。

業界大手による再編型のM&Aや非上場化に伴うMBO型のM&Aが進んだ一方、国内の店舗数が70万店以上にもなる外食産業は「店舗を単純に閉鎖するより射抜きで譲渡した方が合理的である」というニーズから、新聞紙上ではほとんど取り上げられていないが中小規模の事業者でもM&Aが活発に行われている。

外食産業は21兆円と市場規模が大きく、業界最大手の日本マクドナルドでもシェアは2%に及ばない。

業界構造として企業数が多いため消費者には常に選択肢があり、結果として競争が激しい。

企業価値の面でみると、EV/EBITDA倍率の平均は7.73倍で、最頻値は5倍代と6倍代が同率で15.5%を占めている。

つまり、EV/EBITDA倍率では5~7倍の構成比が31%を占めている。

ただし、外食産業では業態にこだわりをもつ経営者が多く、買収後に自社の業態に切り替える戦略を描くケースもあるが、この場合は造作設備はゼロ評価されてしまうため、M&Aの際に売主との間で価額が折り合わないことがしばしば見受けられる。

上記程度の価格レンジでの売買を希望するのであれば、業態をそのまま継続することが前提となる点には注意が必要である。

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