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2015年介護保険改正 その動向を読む 第3回

「人材確保目標、自治体が数値化」

2014/08/27 発行

現在、日本国内には約150万人の介護職員がいると言われているが、2025年には最大250万人程度必要と推計されている。全国介護保険担当課長会議で発表された「介護人材確保対策」では、「参入促進」「資質の向上」「環境の改善」の取り組みを一体的に講じ、量と質の好循環を進めることを示した。

 まず、入職希望者の拡大を図るため、若者に選ばれる業界への転換を目指すと同時に、女性や中高年齢者層の参画を促す。他業界に負けない採用戦略を持つように促し、福祉人材センターなどのさらなる機能向上を含め、求人・求職のマッチングを強化する。

 また職員の資質向上のため、専門性を高め、スキルアップできるようキャリアパスを確立。小規模事業所との共同による人材育成支援や社会福祉士の専門性と社会的評価の向上、同資格取得方法見直し実務者研修を受講しやすい環境づくり、離職した職員が現場に再就業しやすい環境整備を進めていく。さらに社会的評価、待遇、定着率を高めていくため、雇用環境改善を事業主に促す。

 これまで地方自治体が策定する介護保険給付を円滑に実施するための介護保険事業支援計画では、介護人材確保に関する視点が不足していたものも見られた。今後は地域の実情に応じたビジョンに基づき介護人材確保に関する明確な数値目標を立て、具体的かつ実効性のある方策を計画的に位置付けることが求められる。

 そのため、(1)都道府県ごとの需給推計に基づく進捗管理や実効性のある事業を実施(2)行政、団体、事業者の役割分担を明確化し、都道府県がリーダーシップを発揮する(3)労働施策との連携強化を図り、ハローワークや人材センターとの協働、介護労働懇談会の積極展開を推進する。養成機関・学校・一般企業といった地域のあらゆる主体と連携するための「場」を設け、学校教育、企業内研修、地域住民への啓発活動にも取り組んでいく。

 ただ、これまでの人材確保戦略を鑑みると、介護報酬を減らす中でこのような方向性や戦略では不十分と言える。「若者に魅力的な職場」などの方策は具体的な中身に乏しく、効果や実現性は不透明だ。十分な補助金や新卒者の就労体験義務化など抜本的な改革が必要だろう。

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