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業界ニュース 2018年

ビルメン虎の穴:Vol.5

「衛生、快適、安全な建築物環境」の提供者が、ビルメンテナンスであり続けるためには?

2018/05 発行

 建築物があって人間が生活する限り、「衛生、快適、安全な建築物環境」というニーズが無くならないのは、疑いようのないところです。人間が文化的な生活するうえで絶対に必要な条件であることは、ビルメンテナンス事業者だけでなくユーザー、エンドユーザーも含めて共通の認識だと思います。

 ビルメンテナンスはこれまで、この「衛生、快適、安全な建築物環境」を商品サービスとして提供してきました。このニーズが無くなることはありませんが、しかしニーズを満たすサービスを提供しているのが、この先もビルメンテナンスであり続けるか?と問われた場合、皆さんはどう回答されるでしょうか。ちょっと過激な問いであろうと思いますが、いま全国協会では、この問いに真剣に向き合っています。

 以前の本稿でも触れましたが、ビルメンテナンスは誕生から半世紀以上、提供している価値や業態は、ほぼ変化していないと思われます。一方、他の業界を見てみると、「ニーズは変わらず存在するが、提供者が変わっている」という事例が多々見られます。

 小売業で例えると、以前は町に八百屋さん、お菓子屋さん、本屋さんがあり、私たちは「野菜が欲しい、お菓子が欲しい、本が欲しい」と思えば、それぞれのお店で買い物をしていました。今も「野菜が欲しい、お菓子が欲しい、本が欲しい」というニーズは存在しますが、野菜はスーパーマーケットで、お菓子はコンビニで、本はネット通販で、というように、提供する事業者はほぼ「代替」されています。

 工業製品も同様です。皆さんも気分をリフレッシュしたいときなどに音楽を聴かれると思いますが、「音楽」という形のないものを提供するメディアとして、以前はレコード、カセットテープが主体でしたが、これがCDやMDになり、メモリーカードになり、いまはネットでダウンロード購入する形が主体になりました。「音楽を聴きたい」というニーズは無くなっていませんが、これを満たすメディアは完全に「代替」されました。

 磁気テープやCDなどは、パソコンなどの記録メディアとしても使われていましたが、メモリーカードの大容量化やクラウド技術の進化によって需要が減り、これらの記録メディアを扱っていた工業会は、2013年に解散しています。

 ビルメンテナンスも、社会ニーズの変化や技術の進化を敏感に捉え、イノベーションを継続していかなければ、あるとき他業種に「代替」されてしまうかもしれない。そんな危機感を持ち、この先も「衛生、快適、安全な建築物環境」を提供するのがビルメンテナンスであり続けられるよう、全国協会では新たなビルメンテナンス・サービスの研究開発をはじめています。

(月刊ビルメン「ビルメン虎の穴」5月号より)

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