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業界ニュース 2018年

ビルメン虎の穴:Vol.2

ユーザーとともに建物資産を用いて社会的需要に応え、互いに成長する

2018/02 発行

 前回、新たなビルメンテナンスの価値とは「ユーザーとビル経営上の課題を共有し、ともに建物に求められる社会的需要を満たす」ことではないか、と提案させていただきました。もちろん、多くのビルメンテナンス事業者は「そんなことは当たり前にやっている」と思われるかも知れません。そのような意思のもと、サービスを提供している事業者も多数おられると思います。

 もういちど振り返ってみると、従来のビルメンテナンスが「ユーザーが自社の中核業務でないところの雇用を外部に求め、人事管理面での負担を軽減する」、つまり「労務の煩わしさから解放され、しかも安価」を中心的な価値として成長してきたことは、多くの方が実感していることと思います。これは、確かに見ようによっては「ユーザーの課題を解決してきた」と言えますが、根底にあるのは「手間の軽減、経費の削減」という消極的理由であり、本来ビルメンテナンスが提供すべき「専門的技術や手法の活用による経営向上、利益貢献」という積極的理由ではなかったように思います。

 これはいまから20年以上も前、1994年に発行された『ビルメンテナンスのすべて(新版)』(八木祐四郎・著、東洋経済新報社)の中でも指摘されています。同書の一節を拝借すると、”これまでのメンテナンス・ニーズは、(中略)極端にいえばメンテナンスが求められていたのではなく、メンテナンスの煩わしさを回避することが求められていたということができる“とあり、いまも多くの場合、このニーズを満たすことを主眼としたサービス提供が行われているのではないかと推察します。

 提案させていただいているビルメンテナンスの価値は、これとは一線を画すものです。前述の積極的理由、つまり明確に「ユーザーの経営向上、利益貢献」を意識し、メンテナンス業務を継続的にマネジメント(運用改善)することで、建物が竣工して生涯を終えるまでのライフサイクル全体で資産価値に貢献する、いわば「ユーザーとともに建物資産を用いて社会的需要に応え、互いに成長する」ことを意味しています。

 このように言うと、なにやら難しそうで、どうやって実現するのか、本当にできるのかと、疑問に思われることと思います。しかし、サービスを提供する手段は従来と大きく変わらないと思っています。それは清掃であり、設備管理であり、警備であり、その他ビルメンテナンスが提供しているさまざまなビルサービスです。では、いままでといったい何が違うのか。それは「ユーザーにとってなくてはならない価値を実現するもの」として、ビルメンテナンス業務を再編成することだと考えています。

 ちょっと禅問答のようになってきました。次回はこの「再編成」について、ご紹介させていただきたいと思います。

(月刊ビルメン「ビルメン虎の穴」2月号より)

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