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業界ニュース 2017年

人材ビジネス市場に関する調査:矢野経済研究所

人材は「集める」から「育てる」へ

2017/12 発行

 矢野経済研究所では、人材ビジネス市場に関する調査を実施した。それによると、2016年度の人材派遣業市場規模は前年度比108.8%の4兆3,898億円であった。主力の一般事務派遣は、売り手市場下にある他の職種と異なり、有効求人倍率が1倍を切った状況にある。

 これに伴い、一般事務に対する派遣需要も縮小するかに思われたが、国が推進する働き方改革により、正社員の長時間労働を是正する目的から、当該業務を支援するかたちでの派遣を活用する動きが活発化、市場拡大を後押ししたことから、プラス成長につながった。

 ここ数年は、供給過剰になりつつあった事務職派遣に代わり、収益単価の高いITエンジニア人材の派遣サービスを強化する動きが見られたが、こうした人材は最も不足していることから、派遣需要に応えきれない状況下にある。

 そのため事業者は、派遣需要にマッチした人材を「集める」ことから「育てる」ことへ移行し、必要人材の確保に注力している。

 特に、若年層をターゲットとした育成型派遣サービスは参入事業者各社が強化しているサービスであり、第二新卒や未経験者を対象に技能習得へ向けた人材育成が行われるようになっている。2017年度の同市場規模は、働き方改革における特需による派遣サービスの利用拡大が続くとみて、前年度比108.0%の4兆7,400億円が予測されている。

 2016年度の人材紹介業市場規模は、前年度比109.5%の2,300億円のプラス成長となった。求人需要の拡大、紹介手数料単価の上昇継続によりプラス成長を確保したものの、人材確保難の影響から、伸び率は僅かに鈍化した。

 ここ数年の傾向としては、求人情報サービスの利用による公募のみでは人材確保が困難になっており、より確実性の高い成功報酬型の人材紹介サービスの併用が一般化しつつあるなど、サービスの利用機会が拡大している。

 さらに紹介人材の業種も広がりをみせており、これまでの経営幹部や管理職などの人材のみならず、幅広い層が対象になるなど多様化が進んでいる。また、リーマンショック後の求人需要の減退期において、低下傾向にあった紹介手数料が回復基調となり、紹介手数料単価が上昇していることも市場拡大の底上げ要因となっている。

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