業界ニュース

業界ニュース 2017年

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会事務局

インスペクター制度の新たな出発

2017/04 発行

インスペクターを助ける便利なツール

 インスペクターが全国協会の『清掃管理業務インスペクションガイドブック』の手法や項目に基づいて点検した場合、もちろん現場によって異なりますが、およそ半日程度の時間が必要になります。これは、現場で実際に点検するのに要する時間だけであり、点検前の準備や点検後の集計・改善指示書の発行、再点検にいたるまでに要する時間を合わせると、膨大な時間を必要とします。

 インスペクターは、各種インスペクションシートを紙で用意して、現場で手書きし、それを会社に持ち帰ってパソコンに入力し直し、データベース化する作業を行ってきましたが、インスペクションの最終目的は「改善」です。改善を迅速かつ的確に実行するためには、こうした紙ベースでの手段は、インスペクターにとって大きな負担となります。

 最近では、前項で紹介のあったとおり、紙のインスペクションシートをタブレット端末に置き換え、現場で入力した内容が自社のサーバーに蓄積され、後の処理が迅速かつ的確に行なうことができるような、インスペクターの仕事を助ける多種多様なシステムが開発されています。

今後の展望

 全国協会は2016年に50周年を迎え、協会理念「ビルメンテナンス協会は、人と社会を元気にする仕組みをつくる存在である」に基づき、ビジョンを設定し、それを実現するための戦略に従って事業を進めています。そのひとつに“ユーザーベネフィット(便益)を満たす事業展開”があります。

 今回のインスペクターの制度変更は、まさにユーザーベネフィットを満たすための制度変更であると考えています。ユーザーの視点で「分かりやすい、使いやすい」制度とし、民間資格ですから法律や規制に組み込むのではなく、使っていただくユーザーに「使って良かった、インスペクターがいないと困る」と言っていただけるような、いわゆる“事実上の標準(デファクトスタンダード)”に成長させていきたいと考えています。

 ところで、ユーザー視点といっても、ユーザーのベネフィットが細分化、多様化している昨今、それを把握するのは非常に難しいことです。しかしインスペクターは、本社、管理物件に携わるビルメンテナンス従事者、ユーザー、テナント、ビル利用者等々と、常にコミュニケーションを図る機会を持つ唯一の存在です。細分化、多様化したユーザー個々のニーズを把握し、または掘り起こし、満足度を向上させることができる存在です。本制度をデファクトスタンダードに成長させる中心人物は、インスペクター自身であろうと考えます。

 そして今、業界は未曽有の人手不足に陥っています。これまで以上に業務の効率化を図る必要性が出てくると思いますが、一方で、人手不足を理由にして、仕事の品質をユーザーの要求水準より下げるわけにはいきません。インスペクターが作業品質・組織品質の両面から評価・改善し、PDCAを回していくことが必要です。

 全国協会では、インスペクターがこれからの社会に必要不可欠な存在になるよう、さまざまな仕組みづくりを打ち立てていきます。

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