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業界ニュース 2015年

定説覆した判決:最高裁

仮眠時閣の労働時間性を否認

2015/03 発行

 警備員8人が勤務先を相手取り仮眠・休憩時間も労働時間であるとして訴えを起こした裁判で、最高裁は2014年8月、実際に作業に従事した場合のみを時間外労働とするとの判断を示した。夜間勤務従事者に仮眠時間が与えられていても、所定の業務に就かなければならない場合は「労働基準法上の労働時間に当たる」との解釈が定説であった。その根拠となるのが平成8年の、いわゆる「泊まり裁判」の最高裁の解釈である「仮眠時間も労働時間に含まれる」であった。

 今回の裁判は、2010年2月東北の病院の警備員8人が、休憩と仮眠時間中も拘束されているにも関わらず、労働時間外として賃金が支払われていないことを理由に、勤務先の会社に対して未払いの賃金、時間外・深夜割増手当など総額5,300万円の支払いを求める労働審判を地裁に申し立てたもので、3度にわたる労働審判を経て、一部時間外労働について警備員1人当たりに会社側が12万円を支払うという和解案が提示されたが、警備員側はこれを拒否し、通常訴訟に移った。警備員らは休憩・仮眠時間中といえども、待機が義務付けられ非常事態に備えて緊張感を持続しておく必要があることから、時間外労働として割増賃金および損害賠償金の支払いを主張。これに対して会社側は①仮眠・休憩時聞が労働から解放された時間にあたるかは、その時間に実際に従事した割合や頻度から客観的に判断すべき、②原告らが主張する「泊まり裁判」の最高裁の判決は、警備員が仮眠時間中1人で待機し業務に従事していたもので、本件は4人体制・2人ずつ交代制で休憩・仮眠をとっているため事案が異なる、③実際、休憩・仮眠時間に就いた実作業への従事割合は極めて低い、④労働基準監督署の指導を受けた際、休憩・仮眠時間の割増賃金不払いの指摘を受けたことはない、と主張した。2012年1月、地裁では警備員らの主張が認められ、一部時間外労働などの賃金等の支払いを命じる判決が出されたが、会社側は控訴し、2013年2月、高裁は仮眠・休憩時間を労働時間に当たるとすることはできず、実際に作業に従事した場合の時間外労働として、その時間に相当する未払い金を請求することができるとした。警備員らは上告したが、最高裁はこれを棄却、判決が確定した。

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