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事例ライブラリー98

M&A市場SMART™非掲載企業(印刷業)

2009年10月

M&A市場SMART™非掲載企業(印刷業)の株式譲渡が成約致しました。

A印刷は都内で出版会社向けの印刷業を営んでいた。創業社長は2年前に他界したため、取引先や金融機関などの関係から、現在は奥様が代表取締役となり事業を切り盛りしていた。

A社長は就任当初から「自分の年齢を考慮しても長い間第一線で仕事をするのは難しいでしょう。会社の将来のことも考えて、誰か私の代わりに経営をしてくれる人はいませんか。」と社内に問いかけていたものの、具体的な話になることはなかった。本心としては従業員に継いでもらいたかったが「やはり、工場長は工場長。営業部長は営業部長。経営者にはなれない。」と思い、会社の譲渡を決断した。

リーマンショック以降、印刷業も売上が低迷している会社が続出したが、A印刷は財務内容が良好(無借金)で収益も確保していたため、数十社に提案後、候補先として2社が名乗りを上げ、その中で人材派遣を営むB社が第一候補となった。B社にとって印刷業は異業種参入となるが、B社長は「スーパーや量販店に販売員を派遣すると、店舗内のスタンプカードやチラシなどの販促グッツの依頼を受けることがある。人材派遣のみではこれからの競争社会を生き残ることは難しいが、印刷業を傘下に収めることによって、これら周辺サービスを提供できるようになり、収益率をあげることができる」と力強く語った。

最終契約は10月某日に行った。契約には金融機関の担当者も同席し、関係したみなさんがA社長のこれまでの功績をたたえつつ、今後のB社長のもとでのさらなる発展を祝った。

後日談

本件は良縁に恵まれたため、初期面談から約半年で最終契約まで至った。しかし、短期間でマッチングしたが故に、最終契約直前は「本当に譲渡していいのか。主人がもし生きていたら、どのように考えるだろうか。」と、A社長は非常にナーバスになっていた。M&Aの条件交渉をするなかでも、B社長はそのあたりに配慮し、メンタルケアをして頂いたことが無事に最終契約まで至った一因であろう。

今回の仲人役として、A社長の事業の引き継ぎが落ち着いた頃に、A社長のご主人(創業者)の墓前に手を合わせに行きたいと思う。

参考
譲渡会社の概要
事業内容 印刷業
年商 3億円
従業員数 10名
所在地 東京都
買収会社の概要
事業内容 人材派遣・アウトソーシング
年商 4億円
従業員数 15名
所在地 東京都

本件についてのお問い合わせはこちら (担当: 石塚・渋谷)