事例ライブラリー97
M&A市場SMART™非掲載企業 (再生医療:複合型培養皮膚事業)
2009年10月
M&A市場SMART™非掲載企業 (再生医療:複合型培養皮膚事業) の事業譲受が完了致しました。
再生医療総合支援サービスのセルバンクは、ビーシーエスの複合型培養皮膚事業を承継した。
ビーシーエスは2003年に複合型培養皮膚の治験の確認申請をし、2007年には厚生労働省から適合しているとの認定を受けていた。再生医療分野ではジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)が重症やけど治療用の培養表皮で同じく2007年に製造販売承認を取得し、同年12月にはJASDAQ-NEO市場に上場を果たした。上場時のJTECの株式時価総額は120億円を超えていた。
こうした事業環境からBCS社も将来を有望視されていたバイオベンチャー企業のひとつとして大きな注目を受けていた。ベンチャーキャピタルや総合商社などもBCS社の将来性に目をつけ、数千万~数億単位の出資していた。ところが今回の金融危機で急速に事業環境が悪化し、研究開発に必要な資金が得られずに資金繰りが悪化、2008年11月にはついに東京地裁から破産手続きの開始決定を受けるに至った。
セルバンクは、この事業に必要な実験データや人材を引き継ぎ、やけど治療目的の再生医療事業の事業化に着手する。セルバンクの北條社長は2012年5月期中に新規株式公開(IPO)を目指し、調達した資金で治験を行う予定。セルバンクは再生医療分野のバイオベンチャーには珍しく、既に単年度黒字を計上している。
あとがき
ベンチャー企業を取り巻く金融環境は厳しい。やや良化しているとはいえ、IPOマーケットは機能不全のままだ。ベンチャーキャピタルも新規投資には慎重なところが多く、当然、資金難に陥るベンチャー企業も出てくる。しかし、有望な技術を持っている企業はM&Aで事業救ってもらうことができる。もし、M&Aで技術や従業員を承継してくれる会社が現れなければ、多額の資金をつぎ込んだ有望技術は葬り去られてしまうことになる。M&Aはベンチャー企業に活力を与える有力な手段であるといえよう。


