株式交換
- 株式交換制度の概要・図解
- 株式交換のメリット・デメリット
- 株式交換の手続き
- 株式交換の会計処理
- 株式交換の税務
株式交換の税務
株式被交換企業 (特定子会社) の株主に対する課税
株式交換では通常、金銭の移動を伴わず、単に所有している株券のみが交換されるに過ぎません。これに対し、税務では基本的に株式交換は『所有している株式を売却し、現金を受取り、その金銭で新たな株式を購入する』行為であるとの考え方をとっています。すなわち、原則的には株式交換に応じた株主には売却益に対する課税がなされることになります。
しかしながら、実際には金銭を伴わない株式交換に応じた株主にまで課税するのは担税力の面で問題があり、また、株式交換制度そのものの発展を阻害するとの考えから一定の要件を満たす株式交換については売却益課税が行われないことになっており、これを適格株式交換といいます。
※適格株式交換に該当しない株式交換の場合、株式譲渡損益が発生します。子法人の株主が株式交換により取得した親法人株式の時価と株式交換前に子法人の株主が保有していた子法人株式の簿価との差額に対し、譲渡所得税等 (国税、地方税を含む) として20%が課税されます。
株式交換の課税の特例の要件
適格株式交換として、株式交換に応じた株主に対する売却益課税が行われないためには、完全子法人の株主に完全親法人の株式以外の資産が交付されない株式交換であり (※)、かつ以下の要件を満たすことが必要となります (法人税法2条12の16、法人税法施行令4条17)。
完全支配関係 (グループ内) にある場合
完全子法人と完全親法人との間に同一の者によってそれぞれの法人の発行済株式等の100%を保有される関係がある場合の当該株式交換


支配関係 (グループ内) にある場合
完全子法人と完全親法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数の50%を超え、かつ100%に満たない数の株式を保有する関係がある場合の当該株式交換のうち、次に掲げる要件 (1) および (2) の両方に該当するもの
従業者の継続性
完全子法人の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上相当する数の者が当該完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること
主要な事業の継続性
完全子法人の営む主要な事業が当該完全子法人において引き続き営まれることが見込まれていること


共同事業を行う場合
完全子法人と完全親法人とが共同で事業を営むための株式交換で、次の要件 (1) ~ (6) すべてに該当するもの
事業の相互関連性
完全子法人の営む主要な事業のうちのいずれかの事業と完全親法人の営む事業のうちのいずれかの事業とが相互に関連するものであること
事業規模の相当性
上記 (1) で関連するそれぞれの事業の売上金額、従業者の数もしくはこれらに準ずるものの規模の割合がおおむね5倍を超えないこと、または完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式交換に伴って退任をするものでないこと
従業者の継続性
完全子法人の従業者のうち、その総数のおおむね80%以上に相当する数の者が完全子法人の業務に引き続き従事することが見込まれていること
関連事業の継続性
完全子法人の親法人事業と関連する事業が当該完全子法人において引き続き営まれることが見込まれていること
親法人株式を継続保有する子法人株主の割合
完全子法人の株主で株式交換により交付を受ける完全親法人の株式の全部を継続して保有することが見込まれる者が有する当該完全子法人の株式の数を合計した数が当該完全子法人の発行済株式等の総数の80%以上であること
完全親子関係の継続性
株式交換後に完全親法人が完全子法人の発行済株式等の全部を保有する関係が継続することが見込まれていること


株式被交換企業 (特定子会社) に対する課税
株式被交換企業 (特定子会社) にとっては株主の変更が起こったに過ぎず、特に課税関係は発生しません。
株式交換企業 (特定親会社) に対する課税
株式交換企業 (特定親会社) にとっては株式交換比率が適正である限り、特に課税関係は発生しません。



