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会社分割

会社分割の会計処理

概要

会社分割の会計処理には持分プーリング法 (簿価引継法) とパーチェス法 (売買処理法) があり、分割の際の株式の割り当て方や当事者間の関係、移転する事業に対する支配力等によりいずれの会計処理を適用するか判断します。

持分プーリング法
(簿価引継法)
分割に係る資産及び負債を、分割前の帳簿価額で処理する方法。
事業に対する支配が継続している場合に適用する。
パーチェス法
(売買処理法)
分割により移転する資産及び負債を売買したものとして処理する方法。
分割により、ある会社が新たに事業に対する支配力を獲得している場合に適用する。

以下ではまず、持分プーリング法を前提とします。

会計処理 (分社型分割)

図解をもとに解説します。

分割会社 (A社)

B社株式を対価として、移転する事業 (b事業) に係る資産及び負債を減少させます。

(借)
XXX
b事業負債
XXX
B社株式
/ (貸)
XXX
b事業資産
承継会社 (B社)

移転された事業 (b事業) に係る資産及び負債を受け入れるとともに、その純額の資本を認識します。

(借)
XXX
b事業資産
/ (貸)
XXX
b事業資産
XXX
資本
分割会社の株主

処理は必要ありません。

会計処理 (分割型分割)

図解をもとに解説します。

分割会社 (A社)

移転する事業 (b事業) に係る資産及び負債を減少させるとともに、その純額相当分の資本勘定を取り崩します。

(借)
XXX
b事業負債
XXX
資本
/ (貸)
XXX
b事業資産
承継会社 (B社)

移転された事業 (b事業) に係る資産及び負債を受け入れるとともに、その純額の資本を認識します。

(借)
XXX
b事業資産
/ (貸)
XXX
b事業資産
XXX
資本
分割会社の株主

所有するA社株式のうち、A社の純資産総額に対する移転された事業 (b事業) に係る純資産の割合だけ、B社株式に振り替えられる。

(借)
XXX
B社株式
/ (貸)
XXX
A社株式

評価損益が発生する場合

分割にかかる資産及び負債の簿価と評価額とが異なる場合に、パーチェス法を適用すると次のような処理となります。

分割会社

分割により移転する資産及び負債の評価額と簿価が異なる場合、差額分だけ営業移転損益を認識します。

(借)
XXX
b事業負債
XXX
B社株式
/ (貸)
XXX
b事業資産
XXX
営業移転利益
承継会社

移転する資産及び負債を公正な評価額で計上します。

(借)
XXX
b事業資産
/ (貸)
XXX
b事業資産
XXX
資本
分割会社の株主

移転する資産及び負債を公正な評価額で計上します。

(借)
XXX
B社株式
/ (貸)
XXX
A社株式
XXX
株主移転利益

設例 (分社型)

前提

A事業とB事業を営むX社を分割し、既存のY社にB事業を移転します。

分割に伴いY社が発行する新株はX社に割り当てることとし、その市場価額は45,000です。

分割会社
持分プーリング法の場合
(借)
20,000
B事業負債
30,000
Y社株式
/ (貸)
50,000
B事業資産
パーチェス法の場合
(借)
20,000
B事業負債
45,000
Y社株式
/ (貸)
50,000
B事業資産
15,000
営業移転利益
承継会社
持分プーリング法の場合
(借)
50,000
B事業資産
/ (貸)
20,000
B事業負債
30,000
資本
パーチェス法の場合
(借)
80,000
B事業資産
/ (貸)
20,000
B事業負債
60,000
資本
分割会社の株主

会計処理は行いません。

設例 (分割型)

前提

A事業とB事業を営むX社を分割し、既存のY社にB事業を移転します。

Y社は分割に伴い新株を発行して、所有割合に応じてX社の株主に割り当てます。

Y社の発行する新株の市場価額は総額で45,000です。

X社貸借対照表
内訳 A事業 B事業 合計

資産

(時価)

150,000

(150,000)

50,000

(80,000)

200,000

(230,000)

借方合計 150,000 50,000 200,000
負債 30,000 20,000 50,000
資本 120,000 30,000 150,000
貸方合計 150,000 50,000 200,000
X社の株主構成
株主名 所有株式数 取得価額
甲社 600株 80,000
乙個人 400株 70,000
分割会社
持分プーリング法の場合
(借)
20,000
B事業負債
30,000
資本
/ (貸)
50,000
B事業資産
パーチェス法の場合
(借)
20,000
B事業負債
45,000
資本 (剰余金)
/ (貸)
50,000
B事業資産
15,000
営業移転利益

営業移転利益は商法上評価益とされ、配当可能利益とならないため、分割会社が資本勘定を取り崩す場合、営業移転利益に相当する剰余金を取り崩すことが求められる。

承継会社
持分プーリング法の場合
(借)
50,000
B事業資産
/ (貸)
20,000
B事業負債
30,000
資本
パーチェス法の場合
(借)
80,000
B事業資産
/ (貸)
20,000
B事業負債
60,000
資本
分割会社の株主
持分プーリング法の場合
(借)
16,000
Y社株式
/ (貸)
16,000
X社株式

甲社におけるX社株式の帳簿価額を、A事業とB事業の純資産の比率でY社株式の帳簿価額へ付替計算を行う。

80,000×30,000/150,000 = 16,000

パーチェス法の場合
(借)
26,666
Y社株式
/ (貸)
26,666
X社株式

甲社におけるX社株式の帳簿価額を、A事業とB事業の純資産の時価の比率でY社株式の帳簿価額へ付替計算を行う。

80,000×60,000/180,000 = 26,666

(借)
27,000
Y社株式
/ (貸)
26,666
X社株式
334
株主分割利益

甲社に対して新たに発行されるY社株式の評価額と、付替計算によるY社株式の帳簿価額との差額を株主分割利益として計上する。

45,000×600/1,000 = 27,000

27,000 - 26,666 = 334