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M&A事例ライブラリ49

M&A市場SMART?掲載企業〔情報ID: SS0147〕搬送装置部品メーカーの株式譲渡が成約致しました。

2006年8月

主力製品に対する思い入れと会社・社員に対する愛情をもって

譲渡企業は、クリーンルーム工場内の製造ラインの中で製造中の製品を無発塵の環境下、スムーズに移動させる搬送装置用の部品を主力製品としている。同製品 が通産大臣賞を受賞するなど非常に研究開発力の高い会社であった。

譲渡企業のオーナー社長Z氏は、相談当時65歳。財務内容も健全で金融機関との取引関係も良好であったが、社内に適切な後継者がいないことと、これまで研 究開発してきた製品を世に広めるにはご自身の年齢と資力に限界を感じていたことから会社の譲渡を決断した。

Z氏との綿密な打ち合わせの後、平成17年1月にM&A市場SMART?に情報を掲載 (SS0147、半導体クリーン装置として掲載)、秘密保持の関係上、具体性に欠ける記載の仕方を余儀なくされたが、幸いにも面談希望が多く、平成17年 5月には、複数の買手候補企業の中から、未上場のLED加工生産ラインを持つA社と具体的な交渉に入った。しかし同社の人材の問題やこの主力製品の将来性 に対する真の理解が得られなかったことから基本合意を目前にして話は物別れに終わった。

買収候補企業A社との話が破談となり、Z氏とその後のM&A戦略を打ち合わせた結果、オーナーからは「M&Aは100%成約するのではな い、と頭ではわかっていたが、やはり時間のかかることだと再認識した。当社にふさわしいお相手をもう一度探してほしい。」と改めて依頼をいただく。「この 製品の特性を理解して人材や資金を本格的に投入できる企業として、当社の位置する真空関係のメーカー、それも上場企業が良いだろう。」との結論に至った。

平成18年に入り、リストアップした十数社の中から、買収候補企業B社に絞り、秘密保持契約を締結後、具体的な交渉をスタートさせた。B社は真空関連の装 置メーカーで、以前からこの会社の製品を認知しており、無発塵、無発ガスという真空環境下でこの製品を使用することを検討していた。

B社は譲渡企業の製品の将来性を、市場の拡大、生産増強の可能性、応用多様化の可能性など多角的な見地から分析し、譲渡企業オーナー社長であるZ氏の人 格、会社自体の健全性も考慮して買収を決断した。

B社の強い要請もあり、Z氏は買収後もしばらくは当社の代表取締役としてとどまり、B社のバックアップの下、製品の市場への更なる浸透と、高度化、応用の 可能性追及に携わることになった。

動機

後継者不在であること、研究開発してきた製品を世の中に広めるために譲渡を決断。

経緯

H16/12
オーナーより譲渡の相談を受ける。
H17/1
M&A市場SMART?に情報を掲載。
H17/5
買収候補企業A社とトップ面談。
H17/8
買収候補企業A社との交渉が破談。
H18/3
買収候補企業B社とトップ面談。
H18/5
買収監査企業B社より意向表明を受領
H18/6
買収監査の実施
H18/8上旬
最終契約締結
H18/8下旬
クロージング (株券の手交と譲渡代金の決済)

あとがき

譲渡企業オーナー社長であるZ氏の育ててきた主力製品に対する思い入れ、会社、社員に対する愛情、「製品や会社を発展させていくには年齢的に、資金的に考えても自分は退いてもっと安心してお任せできる企業に後を委ねなくてはいけない」と言う理論的に見れば当然のことながら、これらを心底思い続けるオーナーの人格に頭が下がる思いだ。

振り返ると私共には至らない点がたくさんあり、Z氏には「もっと何かして差し上げられたのかもしれない」と思う気持ちは今も強いが、譲渡先のお相手としてはベストに近かったのかな、と思って許していただくことにしている。

参考
譲渡会社の概要
事業内容 搬送装置部品メーカー
所在地 埼玉県
買収会社の概要
事業内容 真空装置メーカー
所在地 首都圏

本件M&A事例についてのお問い合わせは担当: 鈴木(伸) まで